↓前回の続きです。

 

渡米した芸能人のゴシップネタ?そんなのどうでもいいぜ。もっともっと努力してる奴は身近にいる。彼女達は実に美しい。見てくれじゃないよ。若くして持つその志と行動力、孤独の中でも戦い抜く精神。スポットが当たらない所でも力強く生きる学生達に今日も目を向けよう。カリフォルニア・LA郊外の小さな日本人スナックで米企業へ就職を目指すB子22歳に会った。

Youは何者?

北海道出身 22歳 カレッジ卒業生。今はOPT取得して米企業への就職を目指してる。

Youは何故アメリカに?

幼少の頃からアメリカが好きだったの。今もアメコミは大好き。アヴェンジャーズシリーズは全部制覇してるし、グッズもたくさん持ってる。でも一番好きなのはバットマンね。高校生になるころにはもう完全にアメリカに行くことを決めてた。

 

どうやってアメリカに?

小さな頃からアメリカで生きていくと決めてた。だから高校生になったらアルバイトして自分で100万貯めた。でも留学するにはこんなお金じゃ全然足りない。

 

どうやって資金調達を?

アメリカのカレッジに入る事を目指してた。1年間だけでも学費だけで300万はかかる。親の支援がないと無理。自分で貯めた100万を用意して一生懸命両親にプレゼンしたの。借用書も書いてお金を借りた。多分両親も親戚中からお金を集めたかもしれない。借入額は・・やっぱり1000万くらいはいってると思う。

 

Youの英語力は?

困る事はないレベル。でも毎日常に勉強はしてる。

 

どうやって英語力を身に着けた?

幼稚園から英会話に通っていた。でも全然身についていなかった。日本の民間英会話学校はほとんど遊びレベル。高校生で上京して東京の英語学校に入った。日本語禁止の学校だった。とても厳しかった。東京の英語学校のレベルは高かった。ここでリーディング・ライティング能力を身に着けた。北海道・カナダ間の交換留学生に選ばれた事もあって、ホームステイしてた時期もあるから英語力は早くから身に着けたほうだと思う。

 

留学先は?

行く前から日本人が多い州は選択肢になかった。私が選んだのはネバダ州だった。日本人はパラパラいたけど、あえて関係を持たないようにした。ほとんどの学生が白人だった。良い環境だった。ネバダ州はオススメ。

 

なぜ今カリフォルニアにいるのか?

ネバダでカレッジを卒業してOPTを取った。だから堂々と働ける。就職活動を始めた。企業が決まるまではバイトでお金稼ぐ必要があった。ネバダ州のように白人が多い環境だと、アルバイトさえ難しい。学生の日本人を雇うくらいならアメリカ人雇ったほうが良いのは当たり前。でもカリフォルニアは日本人マーケットがあるし、日本人留学生でもバイト先を探すのは容易だから。

 

学科は何を?

英語科とサイコロジー。でもこの学科だと企業へアピールするのに弱い。学科を増やしたくても授業料が高くて無理だった。それでもあきらめきれないから、ママとパパにまた頭を下げに行った。二人から50万ずつ借りて学科を増やした。

 

どんな企業へ?

アメリカ系企業に絞っている。内定はいくつかもらっている。でも簡単で人手不足な業界ばかり(ホテル受付など)しか内定はくれない。

 

なぜナイトクラブで働く?

もし日本にいたらこの業界で働く事は考えなかった。でもアメリカならやれる。あくまで社会勉強のためだから。お客さんは立派な人も多いし、LAで長年ビジネスをしている人もいる。そういう人からたくさん話を聞けるナイトクラブは私みたいに社会人経験がない学生にとってはすごくいい場所。実際にトークスキルは上がった。今はいろんな職業の人と話を続けられるようになった。

 

なぜローカルなスナックを選んだ?

LAには大きなナイトクラブもあるけれど、私はあえてそこを避けた。そういうところは信念が強くない日本人女子が多くいるし、観光レベルの日本人男性も多く来る。私はそこから距離を置きたかった。このスナックは現地に根付いた日本人とアメリカ人のお客さんが多くくる。だから今は満足している。就職先が決まるまでは働くつもり。

 

カリフォルニアで日本のナイトクラブ。英語力は落ちない?

もう体に染みついてるから英語力が落ちるということはない。でもなるべく英語環境を保つためUberの運転手と話すように心がけたり、アメリカ人のお客さんがきたら積極的に話すようにしている。

 

失敗パターンは?

日本の学校の同期の多くはカリフォルニア、オーストラリア、ヨーロッパに行った。カリフォルニア組は帰国してしまう子が多い。卒業しないで帰ってしまう子もいた。資金ショートする子も多かった。カリフォルニアは全部が高い。カリフォルニアだと日本人同士で群れを組んでしまう。結局自分のやりたい事がボヤけてきて帰国してしまう子も多くいた気がする。ネバダにいた同期達は帰国するという人はいなかった。みんな何か特別な思い秘めて勉強していた。

 

アメリカ留学を目指す日本の学生に何か伝えよ

うーん・・・私はやっぱり、こっちに勉強しに来てる人は特別な存在だと思う。日本では実現できない何かを実現しようとしてるわけだから。でも・・夢途中であきらめてしまう人が本当に多い。

まず信念はあって当たり前だと思うの。そのうえで留学先を考えて欲しい。カリフォルニアやニューヨークはもっとも危険。日本マーケットに吸い込まれてしまうから。環境に信念は抗えない。とにかく日本人がいないところを選択すること。行先を間違えないで欲しい。(※1)

あとマインドセットを変えたほうがいい。日本は集団主義。こっちは個人主義(※2)。集団意識のまま来てしまうとあっという間に日本人同士と群れを形成してしまう。自分の達成したい目的は何かをしっかり持ち、不要な事は排除するくらいの勢いで行ったほうがよい。

 

日本で働く意思は?

まったくない。もともとこっちで生きていくと決めている。集団主義にはもう戻れない。もしアメリカで失敗して例え帰国を余儀なくされても日本にある外資企業で働きたい。

 

英語学習のアドバイスを

私はまず単語をたくさん覚えた。日常はずっと英語を聞いてた。分からない単語があったらすぐメモる。聞き流しでも別に良い。でもあらかじめリスニングする内容の意味は把握しておくこと。ノートを手にガリ勉する必要はない。洋画見る。日本字幕で内容理解する。あとは英語字幕で何度も見る。

一番大事なのは話す事。文法は完璧である必要はない。ネイティブスピーカーでもよく文法は間違える。あまり気にしない。

 

社会人が英語学習するには?

既に社会に出て自分の世界を持ってる人はリーディング・ライティングはさほど必要がないように思う。リスニングとスピーキングだけで他の能力も上がっていくからその二つに集中すればスグ習得できると思う。

社会人の人は就職先を探す必要がないし、スキルもある。だから語学学校で充分だと思う。社会人の人はあまり群れずもくもくと勉強しているイメージ。語学学校+ホームステイは最適解だと思う。ルームメイトに日本人がいなければ。

 

留学への心得は?

英語習得が目的なら日本でも充分。でも文化やリアルな生活テンポは学べない。学校を選べばレベルの高いところはたくさんある。東京へ行ったほうがよい。カリフォルニア(特にLA)で語学学校は意味ない。LAの語学学校はレベル低い。語学学校だけは時間の無駄。(※3)

 

カレッジとユニバーシティ。企業評価は違う?

うーん・・アメリカは日本の短大、4大みたいな感じではない。カレッジでもレベルが高いところはユニバーシティと同等レベルだったりする。でもやっぱり・・ユニバーシティ卒業の方が企業へのアピール力は強いと思う。でもユニバーシティの学費・・高いの・・

 

彼女は完全に思考がアメリカナイズされている印象。バシバシ自分の意見を言っていた。彼女はバットマンが好きだと言う。ボクもアヴェンタドールをバットマン仕様にするくらい好き。現場からは以上です。

 
 

※1 学生A、学生B両名とも日本人が多い州を避けろと言っているのは、それほど環境が大事ということだろう。

※2 おそらく彼女の言う集団主義とは他者の目を気にするということ。個人主義は自分は自分の道を行く。他者の目を気にしないという事。人前で求愛行為を堂々とする欧米人と節操を持って行う日本人ってとこかな。どっちが良い悪いではない。

※3 アメリカに留学し、アメリカで就職を狙う学生にとってはという意味。語学学校卒業はキャリアにならないから。カリフォルニアの語学学校でも充分にアメリカの空気は感じられる。レベルが低いというのは、たくさんの移民がおしよせるカリフォルニアには語学学校がたくさんがある。それゆえ、必然的にレベルの低い学校も多くなる。ということだと思う。