
日本から約6時間。ベトナムにいます。「Vietnam」でアメリカ英語だとTレスサウンドになるから、ヴィエナムっていう発音になるね。どうでもいいね。
来た理由は様々だよ。でも多分、ボクはベトナムに進出するだろう。今回はその準備でもあるし、視察でもある。ボクはアメリカが好きだけど、ビジネスの最適解がアメリカにあるとは思っていない。だからボクはここにいる。目に不自由があっても、体が万全じゃなくてもいるべきところにいよう。
知識人ならもう限界を感じてるはずだ。この日本に。高騰する人件費。伴わない能力。圧迫される利益。厳しくなるクライアント要求。しかしだからこそまだチャンスは日本にあるとも言える。ニーズがあるところに供給を促す。ビジネスの基本だろ。問題はリソースをどこから調達するかだ。
さぁて、ベトナムだけどね。年々高騰傾向にあるけど、まだ人件費は安いと言える。それに応じた民度ではあるけれど、一部の層は大学を出て、世界で戦える力を持つ。ちなみにボクの会社でいうところのオペレーターに近い職種は同じクオリティでもベトナム人は日本人の3分の1以下の給料でこなす。つまり単純労働に近い職種は可能な限り安い人材に置き換えていこうっていうことだ。
これは何も難しいことじゃない。別に日本にいたまま外国人労働力を調達することができるからね。本質はもっと先にある。
毎年採用している新卒。会社の未来を担う重要な若者たちだけど、その数は急激な低下傾向にある。少ないパイを取り合うため、企業は激しい新卒獲得合戦を繰り広げ、伴わない賃金の増加と、労働者の勘違い(声がたくさんかかるため、自分に能力があると思ってしまう)を生み出してしまう。
実際に「A社は300万、B社は400万、さぁ御社はいくらボクに提示する?」というようなオークション形式で面接に臨んでくる求職者が増加しているんだ。転職という人生における重要な局面を目先の金だけで決めてしまう人は容易にお金だけで他社に流れる傾向にある。こういう人に成長させてあげるための人材投資は不可能だ。ならばそれ相応の能力とコミットメントを求めるが、こういう人に限って希望報酬に能力が伴っていないケースが大半だ。
つまり何が言いたいかというと・・日本の求人市場は既に崩壊しているってことだ。そしてこの事実は保守派の大手企業であればあるほど認知していない。そういう企業はストレスフルな職場環境で高圧的に仕事を押し付け、そして人は流出する。その穴埋めをボクのようなベンチャー企業に依頼してくるケースは実に多い。人を消費対象として見るのなら、ボクは名の通った大企業であっても喜んで取引を停止しよう。利益は大事だが、それを作り出す人材が最も重要だということを忘れてはならないのだ。
さて、仮に求人市場が崩壊しているとするならば、その補填はどこからかすねばなるまい。願わくは旧来の日本スタイルのように実直で、仕事と向き合い、よそ見をしない人間に出会いたい。もしかするとベトナムはその最適解になりうる。長期視点で見れば人材投資から得られるリターンは日本人よりも外国人のほうが良いということだ。
さ、ベトナムリポートいってみよぅ。