
実は悩んでる事がありましてねぇ。
長い事妻マッキーと議論してきました。エネルギー解消不足かと思いスポーツやらせたり、欲しいものを制限したり、かたや褒めてみたり。しかし一時的には解消するものの、どうにも根本的解決には至りません。
ある時、たっちゃんが塾で女の子を蹴っ飛ばしたという一報がありました。子供レベルなのでもちろん女の子は無傷。しかし勉強しに来てるのに蹴っ飛ばされたってなりゃぁ塾も怒るよな・・ごめんなさい・・。
たっちゃんの暴力が家庭内で収まっているうちはよかったのですが、このように他人への暴力となると話がまったく違ってきます。この一報を聞いた時、このままじゃダメだ。ここまで来るとある程度の恐怖的しつけが必要だと。そう思うようになりました。
昔・・そうボクらがまだ土と戯れていた頃。大人は怖かったっすよ。悪い事すれば実の親じゃなくても怒鳴られる事もあったし、学校だって鬼教師みたいなの、いたっすよ。今はね・・いないっすよ。世の子育ては”褒めて伸ばす”がスタンダードになっちまいました。人生何周もしてるような悟りを開いた子ならそれでうまくいくかもしれませんが、たっちゃんのように人生初めての暴君にはこんなの通じるわけない。むしろ褒めるだけだと「これでいいんだ」と思い込み、その先を追求しようとさえしませぬ。
ちゅうわけでボクが昭和の頑固親父を演じるワケですがね、まぁーたっちゃんの反抗的態度、気合入っとる。そんなに暴力したけりゃぁパパを蹴ってみろって言うとっすね、躊躇なくボクのスネを力いっぱい蹴るわけですよ。おぉぅ・・いてぇ。こいつの親の・・顔が見てみてぇ。しょうがないからボクも応戦するワケですが、ゆうても子供ですからやはり大人のパワーには敵わないっすよ。でもやってる側はとても心が痛いっすよ。家族団らん中も、どんどん笑顔が失われていくっすよ。
ある時、週間予定表にたっちゃんはこう書いていました。
総合格闘技!
つまり、打撃アリです。練習を見に行ったのですが、いろいろ感動しました。子供達はヘラヘラすることなく、真剣なまなざしで拳を振り、足を使い、地べたを這い回ります。じゃぁ鬼コーチがいるかと思えばむしろ逆。コーチは終始温和。子供達の面倒を見ているのは・・子供達でした。しかも大会チャンピョンレベルの高学年生が指導してくれるんですねぇ。
ボクとマッキーは体験練習を終えてその日に申し込みを入れました。とても人気の道場で、今を逃すと、退会待ちしなければならないほどです。
練習の最後と終わりには道場長が、道場以外で拳を振るうべきではない事を繰り返し説きます。
たっちゃんは他のどんな習い事よりも格闘技が楽しいと言いました。そういえば以前、ボソっと「強くなりたい・・」って言ってたのを思い出しました。おそらく年齢差でお友達より身体の小さいたっちゃんは、何かと不利な学校生活を送っていたのでしょう。そういうストレスが暴力に駆り立てていたのかもしれません。
沖縄にきてから2週間以上、マッキーにたっちゃんの様子を聞きました。暴力はもうなくなったと言います。学校もすんなり自分でいくようになったと。機嫌が悪い時にたまに拳を振り上げるけど、気づいたように、自ら手をおさめるようになったとも。
サッカー、テニス、ボク自身が厳しい講師となり子供をしつけていければまだよかったのでしょう。でもそれは現実的に難しかった。結局ボクが相手できない時間が増え、たっちゃんの暴力は加速しました。でも、道場に入りそれも収束に向かいます。入会するとき、道場のスタッフに現状を話したのですが、「スグ治ります」って言い切っていたところを見ると、ボクのように悩んでる親が多数いて、それらを改善させてきたっていう自信があるのでしょう。まだ日が浅いためどうなるか分かりませんが、現時点で確実な成果を実感できています。