クランツレ物語6 – よりプロフェッショナルな領域へ

シリーズ化してお送りしているクランツレ物語。今回も大阪クランツレへ行くために愛車Vクラスで長旅です。

劣化したタイヤを新調しさぁ出発と思いきや今度はブレーキパッドの残量警告。車検でブレーキパッドを変えてから数ヶ月しか経ってないというのに。センサーのエラーかと思ったが、そういえばブレーキのタッチが深い。やはり減っている様子。消耗が思った以上に早いですね。ちなみにブレーキパッドが減ると前車自動追従時に、スムーズなブレーキングが失われます。

しかし往復1000kmくらいは持つだろうと。深夜の高速を快適に走ります。ほとんどノーアクセル状態で大阪まで行きます。

長島スパーランド。いつも見える。ライトアップされていてキレイ。いつか行きたいなと思うけど、なかなかそのチャンスがない。

ホテルで休んで翌朝。お盆中だというのにメカの藤井氏が出迎えてくれた。さっそく今回の作業に入る。朽ちたモーターとポンプのレストア作業。

重曹ブラストを試します。分解して、適宜マスキング。

こうやって見ると小さく見えるけど、100V洗浄機の中では巨大な部類。家庭用の高圧洗浄機はボディを樹脂で覆っているだけで、分解するともっと小さなモーターとポンプで構成される。

これはIBIXという会社のブラスト機。

ここに重曹を入れます。砂などのメディアにももちろん対応。

ブラストしていきます。ケミカルやブラッシングでは取れない汚れがみるみる落ちていきます。

真っ黒だったポンプも真鍮らしさを取り戻したけど、重曹ブラストだと完璧にとはいかない様子。重曹は強アルカリなので真鍮は変色が早い。作業途中よく水で流す事が大事。中性洗剤で中和するのもいいのかな?

お昼。メカの藤井氏と、宇田川氏とすき焼き。宇田川氏は関東営業所のメカ。もともとはクルマの整備士なんだって。クルマに比べると高圧洗浄機の整備は簡単だと言っていました。クルマにハマるのもいいけど、洗浄機もなかなか奥深い上、クルマほど設備がいらないからヲタクアイテムとしては良いと思うんだけど、近年は高圧洗浄機に興味を示す人がほとんどいなくなってしまったと重鎮の藤井氏が嘆いています。

これは藤井氏の作業用バン。最近は洗車仕様にカスタマイズ中。職人が作るこだわった仕事道具というのは見ていて楽しいです。P&Sケミカルも使ってもらっています!

次は200Vマシンのブラストをします!この大型のモーターとポンプはボクが使っているものです。

前回、朽ちて処分されかけていたモノです。ボクが里親になりました。ボロですけど、中身はすべてリフレッシュされていてすごいパワーを発揮します。

いかついモーターです。ただの金属の塊のように見えますが、ドイツ・クランツレ社製の高級品です。

外に運んでブラストをやります。とにかく重いです。大の大人でも持ち上げるのは困難です。

藤井氏は業界が長く、深い知識を有しています。素人の域を出ないボクにたくさんの専門知識を与えてくれた師匠とも呼ぶべき人です。そういう人がボクの目の前で重曹まみれになっています。

段々とキレイになっていく愛機クランツレ・クアドロシリーズ。こうやってレストアできるのもまたいいですよね。クランツレ製品は未だドイツのものづくり思想を有しており、各部に屈強なパーツが使われています。劣化したら捨てるというサイクルに存在せず。

更にグレードアップします!右のフレームがもともとついていたものです。左の黒いフレームを今回藤井氏から提供してもらいました。チョロQを実車にしたらこうなった的な外観で、タフでどこか可愛げあってすごくかっこいい。

しかしこのフレームは専用設計ではないので加工して取り付ける必要があります。メカの宇田川氏が協力してくれました。みんなでやいのやいのする時間はとても楽しいです。

どうですかこのフィッティング。完全オリジナル仕様です。

藤井氏から息子たっちゃんへのお土産。

すべての機材がアップデートされました。さぁ東京へ帰りましょう。ものすごい重量ですが、Vクラスなら余裕です。

あっという間に都内。東京大阪間は遠いように見えますが、慣れてしまえば一瞬です。海外を行ったり来たりしていると、国内はすべて近所のようなものです。

たっちゃんにお土産を渡します。開口一番に「藤井さんに次はマジな奴くれって言っといて!」というところが港区男子ですねぇ。

最近息子は銃にハマってるんですが、受験生という身で買ってもらえない状態が続いています。そして藤井氏はガンマニアでもあります。だからお土産という経路で入手するという方法を目論んでいるようです。やれやれ港区男子め。

そんな息子はほっといて、ガレージで更に200V機のカスタムを進めます。藤井氏からもらったヨーロッパ仕様の電源プラグ。

100Vマシンと200Vマシンの違いです。親子ほどの差があります。実際に左の200V機のパワーは右の100V機の2倍、3倍あります。

段々とガレージがリッチな姿に変わっていっています。このスチールラックはコストコのラックです。これにディテイリングのすべてを詰め込もうと思っています。

ホースはオリジナルで製作したものです。高圧ポンプとモーターはレストア品。シャーシは加工、ショートガンはR+Mという業界最高クオリティのドイツメーカー品です。こだわりが詰まったこれを「デコタンク」と名付けました。実践投入するにはもう少しカスタムが必要です。

かっこいい。クランツレ最高です。

このデコタンクを動画で紹介しています。是非ご覧ください。

次の動画はデコタンクのパワーが分かります。

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