息子が林間学校チックな行事に出かけていった。うるさい奴が一匹、数日間家を留守にする。

日中は娘と青山の街を散歩した。たいていはケンタッキーに来る。娘は放っておいてもよく喋る。ちょっと黙ってろって言ってもおかまいなしによく喋る。彼氏ができたと言うが翌日には別れたと言い。縁を切ったという友達とのプリクラを見せてきたり。服を買えとせがまれるが断っていると、いつの間にか私のSHEINアプリのカートに10件のアイテムが並んでいる。混沌という世界はこんなにも間近にあるものだと。それでもコーヒーを持ってきてくれたり、次に食べるものを手元に置いてくれたり、片付けをしたりする。そういう姿を見てるとやさしい良い娘と思えたりするが、気を許すとカネをくすねたり、スマホの先に幽体離脱するからやっぱり厳しい目を持って接しなければならない。

夜は妻と娘と三人で映画を見に行った。六本木ヒルズ。

猿の惑星キングダム。壮大なこの映画が好きだ。ここに息子がいたら大声で「猿がしゃべってる!」と叫ぶに違いない。妻と、ある程度理性の効いた娘と三人だからなし得た事だ。

その後は六本木の街を歩き、映画の感想を話し合った。娘が驚くほど内容を理解していないことを知った。なのに他のシリーズを見たいという。ティーンエイジャーの頭は常にカオス。

つるとんたんに入った。遅くまでやってて上質な味。よく使う。娘には深夜の繁華街をよく見せている。私は深夜の歌舞伎町で育ってきた。そういう体験をよく娘に話す。そうやって慣れさせおくことも必要だと思う。

翌日。愛犬セナちゃんの誕生日を祝った。犬用ケーキ。もう老犬だ。当時、妻と一緒に遠くのブリーダーを訪ねて出会った犬だ。ミニチュアシュナウザー。ドイツの血統。メルセデス好きだからなのか分からないけど、この犬種がすごく好きだった。2匹の候補がいて、声をかけてもまるで寄ってこなかったのがこのセナちゃんだ。

フラフラしてるけど元気だ。寝て、食べて、散歩して、また食べる。もう言う事は聞かない。自分のやりたいことしかやりたくないんだと思う。人間もきっとそうなんだと思う。年をとればとるほど頑固になり、自分しか見えなくなるのだと思う。動物ってそういうものなんだろう。せめて精神は老化したくないものだ。抗ってみようと思う。そのためには常に何かに挑戦し続けることが大事なんだと思う。セナちゃんにはそういう事を教えられる。

子どもたちが火を消す。息子は帰ってきた模様。早速家が騒がしくなる。

妻がモロゾフのチーズケーキを人間用に用意してくれた。モロゾフは祝い事にしか食べない。もう何十年も大好物なケーキの一つだ。すごくおいしい。結局家族全員好きになってる。

均等に切るように息子に課題を出す。円の芯出し方法を教えてやった。息子はセナちゃんと同等のメモリーしか積んでいない。多分もう忘れているだろう。

ゲーム?スマホ?いやカルタをやった。都道府県カルタ。都道府県の形から当てるという難儀なもの。私はビリだった。わかるわけない。

翌日、娘は学校へ。私達は渋谷のクアアイナに行く。ハワイアンのハンバーガー屋。超常連。ここに来ると今日が休みなんだなって実感する。

たいてい混んでる。でも待ってればすぐ席が空くことも知ってる。

渋谷の街をチャリで散策。どんどん新しいビルが立つ。渋谷はすごく好きだ。池袋、新宿、渋谷でずっと遊んでた。カオスな渋谷が好きだったけど、今は近代化が激しい。昔が良かったという気はないけども、ぐっちゃぐちゃの渋谷がなくなると、若者のトレンドが死ぬ気もする。なんだか最近は大阪難波のカオスのほうに気が取られる。

ママをおんぶする息子。息子はママっ子で娘はパパっ子だ。それなりにバランスが取れてていいと思う。私がおんぶしてもらうと息子はなんの抗力もなく床に崩れ去る。

新宿西口。ここもよくいるエリアだ。ヨドバシカメラがあるから。コロナのときは暗かったけど、今はこの通り街全体が明るい。こういう活気のある夜の街が好きだ。

ゲーセンに連れてってやった。私はクレーンゲームが得意だから息子によく教えている。息子は獲得するまで諦めようとしない。本当に大事なのは潔く引くことだと教えているけど、やはり伝わりっこない。

夜は千駄ヶ谷の居酒屋で食べた。なんでもない数日と週末だった。なんでもないような事が幸せなんだと思う。