ぜんせーがケーニッヒを目の前に少年のように目を輝かせ、時間を忘れてありとあらゆる角度で写真を撮りまくる姿を見て羨ましく思っていた。

何度も彼の納車を見てきたが、一見してわかるぐらい惹かれてる姿は初めて見た。

eBayや素性が怪しい直販サイトを巡回しながらパーツを探すぐらいパッションを注げるものが欲しい!

・・・ということでしばらく迷走した。

 
エンスーの杜で片っ端から車見てみたり・・・

 
原点回帰でネオクラマセ見てみたり・・・

 
いいなあ、と思う車はあった。でも、果たしてそこまで情熱を燃やせるだろうか。

夜中に、走らせるわけでもなく、車庫に停車する車に乗り込んで妄想に耽ることはできるだろうか。

劣化しているパーツも、新品を探す喜びに転化することができるだろうか。
 
・・・
 
否、そこには買うことが目的になっている自分が居た。

いいと思った車も、あくまでも「これって値打ちだ」という理由で食指が動いているだけで、きっと買っても軛にしかならない。
 
そんな中、自分の心をとらえたものがあった。
 
マセを好きになったきっかけの3200GTでも、永遠の憧れScuderiaでも、なんだかんだ乗っている自分が一番好きだったGlacier Blueのアストンでもない。
 
思い立ったが吉日。1週間後、ニューヨークからはるばる自分の手元にやってきたのがこいつ。

憧れの中判デジカメHasselblad H4D-50。
 
みよこのサイズ。もうね。狂気。完全に近代兵器。鈍器のようなもの。
レンズはHシリーズ互換のFujinon Super-EBC 50-110mm。質量1625g。本体1800g。あわせて3425g。もう正気の沙汰じゃないね。電車で持っていたら席を譲られるレベル。
メインで使っているLeica M10+Summilux 50/1.4ASPHの組み合わせでさえ1120gぐらいだぞ。
 
でもね。重いだなんだってギャーギャー1人夜中騒いでも確実に笑顔なのね。
 
ということで早速撮って・・・
 
ん?様子がおかしいぞ?F3.5までいけるはずなのに、F4止まり。しかも何回か撮ってるとLens Not Foundの文字が・・・。
 
  。 。
 / / ポーン!
( Д )

これ多分レンズだ。ヤフオクで落としたやつだったけど、「動作未確認」だったんだよね。シャッター回数100弱だったし、見た目綺麗だから安心してた。

とりあえず原因探りにハッセルブラッドの直営店@原宿に突撃だ!

「こちらはFujinon製品ですので、こっちではみられません」
 
「あれ、でもハッセルブラッドでも同じ製品ありますよね」
 
「厳密には中身のファームウェアは違うんですよ。そして富士フィルムとの取り決めでこっちでみられないことになってるのです。」
 
「・・・」
 
「と、とりあえず本体ファームウェアのアップデートオナシャス」

あ、あれだな。これは神が与えた試練だな・・・。(゚∀゚ )
 
ズームレンズ重いし、単焦点を買えってことだな!(。A 。 )
 
 
ということで1週間後、レンズが増えたよ!

なんか本体も増えてる気がするけど多分気のせい!
 
たまたまebayで欲しい単焦点3点セット(50mm、80mm、100mm)+本体があったので、勢いで買ってしまったの。どう考えても本体2個いらないけどね。
 
自分的標準レンズとなる80mm(換算56mm)だとかなりコンパクト。これなら持ち運びできる!収納困ったら分解すればいいし!

コンパクトで、いかに被写体にカメラを意識させないか、で設計しているライカ。
 
かたや巨大で、ライティングもばっちり決めたスタジオでテザリング撮影するようなハッセルブラッド。
 
この両極端な機体を手に、いかに自分の世界を広げられるか。
 
自分にとっての情熱はここにある。
 


Hasselblad H4D-50 + HC80mmF2.8
 

Hasselblad H4D-50 + HC80mmF2.8