新卒勢が入社してから1カ月が経過した。みんな初任給を待ち遠しく待っている。

研修期間に技術系の資格を取るのが恒例のコミットだ。ここ数日は業務時間を勉強に充てさせている。一人で長い時間悩む者、先輩にさっさと聞きに行く者。なんでもこなせてしまう者実に様々だ。大学が終わった時点で既に能力格差は大きいことを実感した。

黙々と勉強している彼らに息抜きさせるため会議室に呼んだ。話し手はボクだ。しかし何もネタはない。とりあえず大型連休をどう過ごしたか聞いてみる。答えは一辺倒で、実家に帰る。観光する。勉強する。以上。初任給が支給されていない以上活動範囲も狭まるのだろう。

生活について聞いてみた。みな厳しいという。貯金ができないと。若いのに貯金に意識が向いている事に関心した。しかし同時に危険な思想であるとも思った。試しに香港の若者を例にした。彼らは現金をキープするという概念が希薄。彼らはキープするよりも増やす事に意識を割き、そのための消費と投資が大好きだ。それが正しいのかどうかは知らないが、少なくとも”貯金”をした時点で必ずそのお金はいつか目減りする。お金の価値に横ばいは存在せず、増えるか減るかの二択だからね。それを知ってか知らずか香港支社の若手女性社員は今日も株を買い、経済への意識を高めてゆく。

社会保障が弱い国ほど国民は投資に積極的で、政治に関心を持ち、人生は自己責任であるということをよく知っている。強力な日本の社会保障はそういう強く生きていくためのセンサーを人々からもぎ取ってしまったのかもしれない。