決戦前夜
中学校受験が始まります。東京都は全校一斉にスタートです。小学生というまだあどけない子供達が合格を勝ち取るためにしのぎを削るのです。定められた枠に入るために、ふるい落とされないために。この三年間、ママと娘、二人三脚でやってきました。
今日これまで。どんな言葉を使っても一言で言い表すことはできません。傍観者の私からすると、それは凄まじい争いに見えました。勉強をさせようとするママ、勉強を嫌がる娘。怒号が飛び交い、近隣の人に心配されたこともありました。ママと娘。女同士の戦いがこれほど荒々しく、狂気に満ちたものであることを私は知りませんでした。猛獣らの前では男は無力な存在でありました。
この三年間何があったでしょう。来る日も来る日も学校の資料に目を通し、分析し、足を運びました。親の想いと裏腹に勉強にまったく手が付かない娘。上がらない成績。将来を悲観し、涙したこともありました。すべてを投げ捨ててしまおうとする時もありました。それでもここまでやってこれたのは意地でしょうか。いいえ、これは愛です。娘をよく観察し、この子にもっとも合った生き方は何か。突き詰めて考えた結果が中学受験でした。時に子供の人格を無視してまで勉強をやらせる。これは執念。見方を変えれば我が子の未来への深い愛情です。
父親である私は何をしましたか。実に、実に無力でした。私は娘の受験に貢献した記憶がありません。でも何かはしたはずです。しかしプレイヤー達の前で語るには小さすぎる事でしょう。
[clear]受験前夜。ラストスパートです。子供達の中には緊張して体調を崩してしまう子も多いと聞きます。
[clear]ウチはこんな感じです。緊張感の欠片もないように見えますが、これでも娘なりに不安は感じています。緊張感がなさすぎるのもどうかと思いますが、プレッシャーに負けないのは娘の良さだとも思います。
さぁ、明日は戦いです。どうなるのでしょうか。私ができること。それは結果がどうであれ、三年間の努力を称えることでしょう。