さて、完全なコレクターズカーとなったW126 560SEC AMG ワイドバージョン。車検整備のためにセントラルオートに入庫です。

 

はぃどーん。すばらすぃ。まぁーよく残ってくれてたね。

 

詳細スペックは? 
 
詳しい人は気になってたんじゃないかなコイツの年式に。このW126 560SEC AMGワイドは91年最終型。そう、だからエンジンはM119ヘッドだよ。

 

560AMGにはエンジンが2種類ある 
 
まずw126 560系はM117型っちゅうエンジンなんだけど、これをAMGがチューンしたのが通称ハンマーヘッドと言われるもの。レーシングカーさながらのエンジンね。でもコレ、特殊な構造すぎてほぼすべての車両からオイルが漏れるという素敵仕様。なのにパーツは手に入らないという。何基ものハンマーエンジンを治してきたマイスターから言わせるとハンマーヘッドエンジンは”欠陥品”らしい。

そのためなのか、90年代のモデル末期になると、これが改善され、M119型エンジン(W124の500系に積まれている奴)のヘッドに変えられたんだ。そのため荒々しさはなくなったけど、整備性はグッと上がった。

じゃぁどうやって見分けるかっちゅうとにぇ、

これがボクの560SEC AMGのエンジン。赤丸の部分を良く見といてね。黒いカバーがかかってるっしょ。

 

んでこれがM117ハンマーヘッド。写真がなかったから↑ので我慢して。ヘッドの部分を見ると黒いカバーがかかってないよね。おそらく90年代以前のモノはすべてこのハンマーヘッドエンジンが搭載されているんだ。

 

M119ヘッドとハンマーヘッド 
 
世界オークション、RMサザビーズでハンマーヘッドエンジンとM119ヘッドのエンジンが搭載された560SEC AMGワイドが過去出品されたけど、ついた価値はハンマーヘッドのほうが高かった。やはり手作り感満載のレーシング風エンジンに人気があるのかもしれない。

 

この年代のモデルは海外へ 
 
当時潤沢な資金に湧いていた日本経済。当時で考えると超高額なAMGの多くが日本にやってきた模様。でも今はそれらの多くが海外へと旅立った。

 

ハンマーヘッドを高く評価する海外勢しかし・・ 
 
いろいろネットを調べると、やはりハンマーヘッドのオイル漏れが治せないという悲痛な叫びが投稿されている。そもそも数が極端に少ない90年代AMG。その多くが日本にあった事を考えると、海外のそんじゃそこらの整備工場ではハンマーエンジンは触れない(日本には整備できる数名のマイスターが存在する)。整備性が最悪な事を知った海外勢はM119ヘッドのほうが良い事に気づき始めた。

 

M119ヘッド搭載車はハンマーヘッドより少ない 
 
じゃぁM119ヘッド搭載車のほうがいいよねとなっても、M119ヘッド搭載車は最終年式でしか作られなかったため、数はハンマーヘッド搭載車よりも少ない。これが今後、相場にどういう影響を与えていくのか分からないけど、価値が見直されるとボクは期待する。

 

所有するならM119ヘッドのほうが良い 
 
ボクはもともとハンマーヘッドに乗ったから言い切るけど、ハンマーエンジンはアイドリング状態でさえ不安定。実際オイル漏れも経験したよ。ヤナセでは断られた。このエンジンは治せない事もないけど、かなりの資金を投入する必要があるんだ。それでも完璧な状態に戻すのは難しいとも言われているよ。

乗っていたハンマーヘッド搭載の560SEL

だからボクは次所有するならM119ヘッドを狙っていたのさ。もし今回手元に来た560SECワイドがハンマーヘッドエンジンだったらボクは手を伸ばしていなかった。M119ヘッドなら普通に乗れるし、整備も可能。それでいてイカツイAMGのワイドエアロだからね。完璧だよ。

 

ちゅうわけで560系のAMGを見かけたらまずエンジンを確認だ。ハンマーヘッドは相当な資金力を持つコレクターじゃないと完璧に維持するのは難しいし、気軽に乗るなんてことはできない。でも、あの荒々しさはハンマーヘッドでしか味わえないけどね。ま、ゆうても今時のエンジンの方がよっぽど優れてるけどね。

でもいいのよ、こんなのマニアしか知らないし、スペック語るクルマじゃないでしょ。

うーむ・・素晴らしい。眺めてるだけでもボクは満足だよ。