旧車メルセデス。w126型 560SELケーニッヒ。私はこれをレストアしています。たびたび心が折れそうになったり、持ち直したり。そんなことを数年続けています。ゲテモノカーと呼んでいる私のケーニッヒですが、少なからずファンがいらっしゃいます。

私はそういったファンの方に謝らなければなりません。既に板金に入っており、完成間近だと思われている可能性があるからです。率直に申し上げますと、板金にまだ入れられていないのです。

これにはいくつかの理由がありますが、それらを述べたところでなんの意味もありません。原因はただ私の怠慢です。

しかし、板金屋に入庫さえすれば1年経たずに仕上げてくると予想されます。もう少し、もう少しだけ先延ばしにしたいのです。何故なら、もう一台仕上げたいクルマがあるからです。それが・・

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

R129 SLケーニッヒです。

私がこのクルマを手に入れたのはずっと前の事です。前期、並行車です。エンジンはM119型で、KEジェトロになります。

 

私のもとに来た時、これは不動でした。車内はカビの匂いが充満し、エアロは割れ、ミラーは脱落、クランキングは皆無です。しかし、ショップのメカ氏の手によってすぐに復活しました。ミッションは良好で、力強い加速感があります。基幹部分に問題なし。骨格にサビもなし。長年の眠りから覚めてもめげずに走ろうとする旧車メルセデス。好きです。

不動の放置されたケーニッヒ。たいていそれはジャンク品扱いです。しかし何故起こす事を決意したのか。それは見捨てる事ができなかったというだけの理由です。何度かブログ上で取り上げている最強ケーニッヒオーナー、O氏もこういったジャンク車両から起こしています。マニアとはそういうものなのです。

このSLケーニッヒの足回りにはケーニッヒ社のスプリング、しっかり固定されたエアロ、初期モデルのOZホイール。ケーニッヒメーター、そしてエアロミラー仕様です。正規に作られたものかどうかは分かりません。しかしケーニッヒ以外の余分なものが一切ついていません。それなりのこだわりが注がれた一台であると思われます。

 

ホイールはOZ製・ケーニッヒVer2です。SLケーニッヒでは標準装備のホイールです。今ではコレも貴重なモノになっています。ホイールには腐食、ガリ傷、クラック、歪みが認められます。オーバーホールが必要です。

 

今もメカ氏のところで修復作業が進んでいます。長く寝ていたこのケーニッヒですが、驚く事に電動ホロが稼働したのです。しかし長年の眠りから突然起こしたためか、すぐにシリンダーからオイルが漏れ、不動となりました。既に新たなパーツを手配、修復作業に入っています。

 

ボディカラーはソリッドブラックに塗られていますが、純正色はブルーブラックです。また、前期モデルなのでオレンジウインカーが正解です。可能な限り元の姿に戻したいです。
ハードトップが欠品していましたが、これも手に入れました。既に板金屋さんの診断は受けており、修復可能とのことです。面積が少ない分、SELケーニッヒよりもSLケーニッヒの方が早く仕上げる事が可能なようです。

SELケーニッヒ、SLケーニッヒ、私はどちらに乗りたいのでしょうか。それはSLケーニッヒです。セダン好きのはずが何故クーペスタイルのSLに気を取られたか。
重さです。アルファードエグゼクティブラウンジを常用していると、その鈍重さに嫌気がさしてきます。SELケーニッヒも同じように重たさを感じるのです。SLケーニッヒは路上走行していませんが、敷地内でステアリングを握った限りでは、走る楽しさはSELより上です。
週末の朝や、深夜に好きなクルマとドライブしたい。できればハンドリングも楽しいものであってほしい。そう思うとSLケーニッヒに軍配が上がります。

 

とはいえ、迫力という意味では質量の大きいセダンに敵いません。やはり私の中での最強はSELケーニッヒで間違いありません。

 

SELケーニッヒはウッドパネル修復の目途が立ったので、SLケーニッヒと同時進行でレストアを進めていきます。また追って情報をアップしていきます。

 

SELケーニッヒの仕上がりを楽しみに待って頂いた方はがっかりされたかもしれません。しかし時期が遅れただけであって、必ずや完成まで持っていきます。その間、SLケーニッヒのレストア記録でお楽しみください。