通っているスポーツクラブは毎回受付を通します。そこのスタッフは若いアメリカ人女性で構成されています。彼女たちは私にいつもそっけない態度です。他の人とは笑顔で会話しているのに。私が来た途端、笑顔は消え真顔でタオルを放り投げてきます。差別かって。
そういった対応にすごく悩んでいました。でもある時から私は態度を変えることにしました。常に笑顔、はっきりと自信のある声で挨拶するようにしました。するとすぐに彼女たちの態度は変わりました。他の人と同様、私に笑顔で接するようになりました。タオルの渡し方も違います。2枚いる?って聞いてきたり、世間話もするようになりました。

結局、英語の苦手意識によって私の顔から笑顔が消えていたということです。いつも真顔の私を見て、相手はただ警戒していただけでした。自分が笑顔でいれば相手の警戒心は解け、相手も笑顔になる。そこに人種や差別はまったく関係ない。当たり前のことが当たり前にできていなかった事を後悔しました。

そこから私の英語力は抜群に伸びました。自信がついたのです。笑顔が自信を呼び、その自信が眠っていた英語力を呼び起こします。どこにいっても、自分から先に挨拶をするようにしました。通っているカフェでは私の注文を覚えておいてくれたり、世間話を持ちかけられることも多くなりました。今までとはまったく違った世界が広がりました。笑顔でいるだけでで、です。

人は、素の笑顔でいるときがもっとも魅力的なのだと知りました。銃社会のアメリカは、相手に警戒心を抱かせないように笑顔を作る文化があると聞きました。しかし笑顔に真意なんて必要ありません。初対面であっても、目と目を合わせ、にっこりし合うアメリカ文化が私は好きです。