床塗装に失敗した。新たなコンクリ打設が終了し、次は最終フェーズの床塗装だった。

コンクリ打設後、3日目に床の下塗り工程(プライマ)と上塗り1回目が入った。しかし塗った瞬間から剥がれていくという連絡を受け取った。何事かと思ってガレージに行ってみると、

ベリベリと剥がれていく。プライマ(下地 塗料密着材)がまったく密着していない。

これは上塗りされた面。塗膜が水ぶくれのようになってしまっている。

プライマごと簡単に剥がれてしまう。

塗装業者によると、一度すべて剥がして塗り直しを行うとのことだった。失敗を悔やんでも仕方ない、ここはプロに任せるしかない。しかしそこから2日、キレイに剥がせなかったと連絡があった。おそるおそる現場を確認に行く。

施工した塗装業者と仲介者が難しい顔で私を待っていた。説明を受ける。すべて塗膜を剥がそうとしたが、一部密着した塗膜は剥がしきれなかったという。

美しかった新品の土間が無惨な姿に変わってしまった。

いい気持ちか嫌な気持ちかで言えば後者だ。とはいえ重要なのは過程ではなく、結果なので最終的にキレイに仕上がりさえすればいい。しかし業者さん達はこの失敗をどうリカバリしていくか、方法を決めかねているようだった。

私自身も何故こうなったのか全然理解できなかった。「プロに任せておけば大丈夫」という気持ちに奢ってしまったいたところもある。自分の事なんだから、知識武装は必要だ。さっそく私はネットや、知人を伝って床塗装に関する情報を収集した。

まず新設の土間は、十分に乾燥させる必要があることがわかった。コンクリ内に含まれる水分と空気を飛ばさないと後の強度が出なくなる。その乾燥させる期間は約1ヶ月というのが一般的らしいのだが、職人によって3日で塗るや1週間で塗るなど返ってくる答えに差があった。

私のガレージは、土間新設から約2日後にプライマを塗られている。それが正しかったのかは分からない。例え乾ききっていないコンクリでも塗装は可能だという見解もあったからだ。

おそらく塗膜が密着しなかった原因はコンクリの水分や空気ではないよう思える。コンクリの新設後は「レイタンス」という粉が表面に発生する。これは打設後にコンクリの微粒子が浮かびでてきたものらしい。これが一面にびっしりと発生する。今回の施工内容を聞いてみると、このレイタンスの除去を行っていないとのことだった。

コンクリをヘラでなぞってみると、粉状の物質が見える。

これがレイタンス。
これは塗膜の裏面。レイタンスがびっしりついている。やはり根本的な原因はこのレイタンスの上に塗膜を乗っけたことによって、コンクリと密着しなかったことだと思う。

これはコンクリの水分の値。7.6%を指している。大体5%くらいになると塗装に最適な状態になるようだ。

ここは乾いていない14.4%もある。やはり部分的にはまだかなり水分が残っている状態だった。しかし水分が完全に乾かないシチュエーションもある。土壌が常に水を含んだ状態。例えば川の近くなど。そういったコンクリが十分に乾かないための下地塗料もあるようだ。

新設の土間は、乾燥させる事が大事だが、必ずしもそうではない。最も重要なのは下地処理で、ポリッシャーで表面のレイタンスを削るという作業が必要があることが分かった。このあたりをしっかりやって欲しいと業者さんに打診をした。

土間の塗装は壁などの塗装とはまた違った分野で、より専門的になるようだ。今回の失敗で勉強になることが多かった。これで工期がかなり伸びてしまうのは痛いけど、塗装の仕組みを知った上で利用することにデメリットはないかなとも思う。