私がたびたび取り上げるクルマがあります。

旧車メルセデス、w124 500系です。

w124 500を簡単に言い表すならば、90年代のスポーツセダンです。

このクルマは世界的にファンが多く、そして近年値段上昇が著しいクルマでもあります。

もちろん日本でも多くのファンに愛されています。私もファンの一人です。

このw124 500の世界は奥が深く、突き詰めればキリがありません。

チューニングベースにする人もいれば、オリジナルコンディション維持を重視する人もいます。

どんな所有方法であったとしても、オーナーの愛情が注がれている500Eは数十年経った今でも日常の足として活躍しています。

このw124 500Eがそうまでして人を惹きつけるのは何故でしょうか。

たくさんの意見がある中の一つとして、私の意見を述べさせてください。やや過激かもしれません。

つまり、w124 500Eが人々を魅了するのは、

「何も魅力がない」からです。

こうやって書くと悪く取られるのかもしれません。でも、おそらく事実です。

すべてが普通以上のクルマ。ソリッドなのです。飾らない。必要なものだけ、手の届くところにある。

しかし、骨格はしっかりしています。その作りはオーバークオリティともいわれています。

表面だけを豪華にした車とは違い、このクルマはベース要素に多くのコストが割かれています。

数十年経った今も、当時となんら変わりなく走り続けるのはそういった設計思想が生きているのでしょう。

それは当時のメルセデスの哲学でした。合理化が進んだ現代ではその哲学が再評価されています。

w124やw126の価値が上がるのは必然だったということでしょう。

500Eの小ぶりなサイズ。しかし実用的な乗車人数です。

一般的なデザイン。角ばった4ドアデザインはシンプルで運転がしやすいです。

すべてが普通ですが、すべての作りが良いです。

何かに言い例えるならば、オールドロレックスです。エルメスのバーキンかもしれません。変わらない価値を保つものは丈夫で使い勝手がよい物です。

きっとw124 500のファンはこれからも増えるでしょう。世代を超えて引き継がれていくクルマはそう多くありません。

今回はそんなクルマをディテーリングしました。素晴らしい時間でした。

w124の熱狂的ファンと、そうではない人にも知ってもらいたい。

「何も魅力がない」事が魅力なw124をどうやって映像で伝えるかに苦労しました。

そしてw124 500Eを今でも大事にしている人たちへ尊敬の想いと共に動画を作りました。

30分の長編です。是非ご評価くださいませ。

ご視聴ありがとうございました。