病室のベッドの上。実は快調なぜんせーです。

病室からは一歩も出る事ができません。検疫法によって私の行動には制限が課されています。狭い病室。ここは私が何かをできる精一杯の場所です。応援のコメント、メッセージを頂きました。皆さま、本当にありがとうございます。心配して頂いている方もおられます。ありがとうございます。まったくご心配頂く必要はございません。まさかあなたを怒らせようなんて思っていませんが、もしかすると皆様が思っている以上に快適な隔離生活をしているのかもしれません。これから私の現状をお伝えしていきます。どうかご気分を悪くされないように。

 

朝は7時頃に起床します。無理やり起こされる事はありません。ドアがやさしく叩かれ、看護師さんが暖かいご飯を運んでくれます。「冷めないうちに食べてくださいね」と気の利いた言葉をかけてくれます。

さっそく頂きます。パンはふっくらしています。とてもおいしいです。カロリーは完璧に計算されていて、1日3食、約1500~1800キロカロリーです。

 

ご飯を食べ終えたらコーヒーを作りましょう。食後のコーヒーは最高です。

必要なものはすべてあります。

 

電気ケトルでお湯を作ります。この時間がとても好きです。この間、私は大型のヘッドホンを耳にかけ、お気に入りのYoutubeを流しています。

 

外を眺めながらコーヒーを楽しみます。
朝。多くの人が動き始めるのが見えます。交通量が増えてゆき、社会が回り始める時間です。私はそれを眺めています。

さて、社会が動きだすのなら、私もやるべきことをやりましょう。陽性者に義務付けられたことは検温と血圧と酸素測定です。これが私の仕事です。体温計を脇にセットし、血圧計を腕に巻きます。血圧計なんて触る事ないので勝手が分かりません。わざわざ服を脱いで腕に巻いていたら、看護師さんから「それ、服の上からでも測れます」と。

 

こうして得たデータを一字一句間違わずに紙に記入します。さぁ、大仕事が終わりました。

 

シャワーに入りましょう。シャワールームの広さは充分です。お湯の熱さ、量ともに完璧です。シャワールームにも窓がついていて、外の景色を楽しみながら体を温めることができます。

 

お昼ごろになると部屋の清掃が入ります。清掃はアルバイトが行います。時給がよくて割りの良い仕事のようです。飲食店のバイトより楽だし稼げると言っています。病院の稼働率が上がれば、更に雇用が増えますね。

それとは別に看護師さんがやってきて検診をします。私の仕事は大きく息を吸い、大きく吐く事です。一日に何回かこういったプロセスがあります。話に花が咲くこともあります。彼女たちは実に多くの事を教えてくれます。それについてはまた別でまとめましょう。

 

狭い病室隔離。運動不足になることは問題です。事実、ふくらはぎに血栓ができてしまう事象が発生しているようです。看護師さんからもなるべく体を動かすようにと指示を受けています。ストレッチをしたり、椅子を使って踏み台昇降運動をしています。

 

肌ケアにもハマっています。規則正しい生活、睡眠、食事とSKⅡのおかげで肌の調子がすこぶる良いです。

 

やることは意外と多いです。衣類の洗濯をしましょう。いつでも清潔でいたいものです。病室を出た目の前に洗濯機が置いてあるのですが、残念ながら陽性患者は使うことができません。衣類どころか、陽性者の持ち物すべて持ち出し禁止です。感染症病棟というのはそれほどしっかりしているところなのです。洗面台にお湯をためて、手でもみ荒いをします。脱水はないので手で絞り、カーテンレールに干します。脱水していないのでは乾かないと思うじゃないですが。これが翌日にはしっかり乾いているんです。病室は常に換気+陰圧で乾燥しているからですね。

 

そうこうしているうちに、夕食の時間が近づいてきます。この時間が一番楽しみです。何日か分のメインディッシュを紹介しましょう。

 

卵料理。凝った作りです。味も完璧。

 

チキンも。

 

本格的な肉料理も出ます。

 

しかし例え料理がおいしくても、場所は病室です。どうしても味気ない雰囲気になりがち。そこで私はこの夕食をもっと楽しむ方法を編み出しました。

孤独のグルメを流しながら食べます。

 

五郎と一緒に食べている気分です。夕食が更においしくなりました。隔離が解けたら、自己流孤独のグルメやってやろうと思います。

 

さて、もう1日の終わりが近づいてきます。業務連絡をしたり、調べ物をして過ごします。PCゲームをやるときもあります。Youtubeを流している時もあります。結局、時間があるように見えるだけでやりたい事の半分も終わりません。体調を崩す兆候はなく、安定している毎日です。ドクターによると症状がなければ人に移す可能性は限りなく低いとのことです。しかし私は公衆衛生の名のもとに隔離なのです。ここは天上界にも思えます。こんなにも素晴らしい時間を頂けて、良いのでしょうか。