ケバブ丼

日本への入国が緩和されて、一気に外国人観光客が増えましたね。

今日は夜中、六本木にケバブを買いに行きました。たまに食べたくなるんですよねケバブ。

六本木のケバブ屋は24時間空いてるので重宝しています。店員はみな外国人ですがね、テキパキ仕事こなしてます。

繁華街のど真ん中にこのケバブ屋はあるんですが、

クラブ帰りの若者達が行き交う道で、ボクは静かにケバブを注文する列に並んでいました。

いざボクが注文しようとすると、外国人客が割り込んできました。千円札を片手に、ケバブ丼をよこせと。

日本は割り込みに厳しい国ですが、そういった文化にない国の方々も多いです。海外ではこんなのよくある話。

だから特に咎めもせず、待とうと思いました。

しかし店員はその千円札を路上に力一杯放り投げ、割り込み客に対して怒鳴り散らし、私には「注文をどうぞ」と言いました。

酒にまみれた若者外国人達が右往左往するこの六本木ど真ん中でも、日本流の正義ってあるんだなって感心しました。

別に割り込まれてもいいんです。こういったカオスで欲望にダイレクトな六本木が私は好きでした。

今コロナが明け、外国人が戻ったとしても、コロナ前とは大きく違います。

そこにあった大きなエネルギーを感じなくなりました。やはり日本人の姿が少ない。

外国人だけが多くても、この街はダメなんですよね。日本人と外国人が入り乱ってこその六本木です。

この界隈に長年住んでいて、日々見てきた六本木だからこそ、この先もう元には戻らないというのも分かります。

アヴェンタドールで六本木を爆走していた時が懐かしいです。今、もうアヴェンタドールに乗りたいとは思わないけれど、

ああいった派手な事をしたという思い出としてはやっぱり乗ってよかったなと思います。

この大きな時代の変化に身をおけたという喜びもありますが、悲しさも感じます。

派手に生きていたその時と、今。変わらないものと言えば手元にあるケバブ丼くらいなんですね。

ケバブ丼にこんなに哀愁を覚えたのは初めてでした。そんな夜でした。

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