香港で国家安全法が成立した瞬間、民主派デモの市民数百人が逮捕された。

中国は更に国家安全法に違反した者を密告すると報奨金がもらえる制度まで敷いた。なんてことだ、市民が・・隣人が秘密警察と化していく・・

これから民主化デモを推進した人達には命の危険が及ぶだろう。一夜にして民主主義は死んでしまった。国際社会は香港に手を差し伸べなかった・・。

香港の民主主義が崩壊し、中国は更に勢力を伸ばす、対するアメリカは内部から崩壊を始めている。

ボクはアメリカにオフィスを構えるずっと前から香港でビジネスをやってるんだ。もちろん今も香港中心街にオフィスを構えていて、現地採用の社員がそこをじっと守ってくれてる。民主デモの時はオフィスの真下で暴動が起きたりもしたけど、今はもう誰もが諦めムードだ。香港は終わった・・って。

これから先、ボクはどうしていけばいいか正直分からない。でも撤退しようとは思っていない。こうなったら意地だから、粘れるだけ粘ってみようと思う。ビジネスはビジネス。政治混乱の中にこそ何かニーズはあるはずだ。

日本は・・なんだかんだ言ってもまだ強い。腐っても日本。是非香港の民主化リーダー達に救いの手を差し伸べて欲しい。

アメリカは急速に香港から撤退するだろう。香港ドル・・どうなっちまうんだろう。みんなUSドルに換えてるって話だ。こうなると手元にあったカネが紙切れになる可能性だって否めない。カネがすべてじゃないよ。不景気にはキャッシュが強い。いや、現物資産を持たず、金融商品やキャッシュだけを大量に持つのが確実安全だとは思えない。政治的混乱で価値なんてものは一瞬で喪失する。香港・中国で地金(現物)の売買が盛んなのも頷けるぜ。

しかしキンペー(中国のトップ、習近平)。めちゃくちゃ強いな。攻めまくるキンペーを見ててね、ふと思い出したことがあるんだ。

 

ジェットリー主演のHEROって映画があってね。あ、英雄って意味ね。中国香港の合作映画かな。まぁーこの映画は思い出残ってるね。ジェットリー好きだし。

ざっくり説明するどころかネタバレまでするけどね、中国大陸が民族間の紛争で荒れてた時代。中国大陸統一のために殺戮を繰り返す皇帝を、ある名もない武士(しかし激つよ)が暗殺に向かうっちゅう話なんだけどね。

最終的に名もない武士が皇帝の首に刃を向けるまで迫ったんだ。でも最後の最後で武士は暗殺をやめ、刀を収めた。そして言うんだ。「今まで殺してきた人達のためにも天下統一を果たせ。混乱の世には統一する者が必要だ。」って。そう言って武士は皇帝を生かし、自らは死ぬ。

当時はふぅーんっていう感じて見てたけど、なんとなくキンペーの根底にある思想がこの映画から見える気がする。例え民主派を殺そうとも、逆らう国に有無を言わさない制裁をしてでも(オーストラリアへの経済圧力みたいに)。天下統一のためにすべては必要な犠牲であると。そして、むしろ犠牲が出れば出るほどキンペーの野望は確固たるものになっていくんだと思う。この映画は中国大陸の民族間の話だけど、リアルはもっとスケールが大きくて、キンペーは確実に世界の覇権、世界そのものの統一を見てる。

今の覇権国家は間違いなくアメリカだから、キンペーは必然的にアメリカと対立してくと思う。というかもうバリバリしてるけど。あの映画に中国の思想が詰まっているなら多分、キンペーは引かない。アメリカ大統領は任期満了で変わってっちゃうけど、キンペーは法律変えてまでずーっとトップを務められるようになってるから、やはりずーっと一貫して攻め続ける。世界統一っていう大義のためにね。期限付きの大統領が、12億人のトップに恒久的に立ち続ける人類史上最強の策士、キンペーを出し抜けるだろうか。もしかすると本当にキンペーは世界の皇帝になっちゃうのかもしれない。だってさ、キンペーがクマのプーさんに似てるからって、ネット検閲でプーさんを禁止にしちゃうくらいなんだから。

日本・・いや民主主義国家全部がクマのプーさんに蹂躙される時がやってくるのかな。その先に平和で平等で差別のない世界がやってくるのかな。もしやってきたとしても、それはきっとボクら民主派の犠牲の上に成り立つんだろうね。

やれやれ。言葉が見つからない。やっぱり・・世知辛い世の中よのぅぅぅー。