チャイナリスクは身近なところに
子会社の一つで、ある商品を国内でブランド化して流通させておる。
主な開発は日本だが、一部中国からの仕入れに頼っているんよね。製品が電子デバイス系だからどう比較しても中国の製造スピードと低コストにはかなわないってもんよ。
んで、市場に商品を流通させる場合、その商品の取り扱い説明書というものが必要になるもんじゃん。もちろん仕入れやOEM製造の段階で、そんなやさしいものは付いていないわけですよ。まして日本向けなんて。
だから自分の会社のデザイナーが丹精込めて作成するわけっすよ。日本人特有のきめ細かいイラスト入りの説明書よ。その説明書は誰が見ても分かりやすいし、よくできてるなぁって自分でも思う。
と、気づけばうちの説明書のイラスト、データまーるまる中国の工場にパクられ、堂々と欧米へ輸出されておったという事実が今日発覚。
ずっと欧米市場を狙っていて玉砕され続けてきておったのに、そうか、説明書よ。君だけ先に逝ったか・・。できればボクらも連れて行ってほしかったぜ。。
中国の工場は取引も長いし、関係は良好だったはず。
一言、パクっていい?(´・Д・)」って言ってくれればd(゚∀゚d)イイヨ!って言ったのに。なんとも残念。
仲間の中国人に、これどういう感性で行われることなん?って聞いてみたが。あまりにも普通のことすぎるらしい。
ふむ。
「文化の違い」という5文字で終わってしまう出来事だね。説明書だからまだいいが、完全自社開発の製品をパクられたらたまったもんじゃないわこれ。ヒトゴトのように一流ブランドのコピー品撲滅運動みたいなのを眺めていたが、そういうリスクってこうも身近にあったもんなんだとトンカチで叩かれた気分だったぜぃ。
結局、リスク管理にヌルかった自分のせいなんだがのぅ。思いつく。開発する。売る。簡単だと思ってたけど、そうではない。知的財産は守っていかねばならぬ。著作権も主張せねばならぬ。自分の身は自分で守れとな。
それぞれの国に文化があるように、模倣が文化であればそれを否定してもしょうがないってもんよ。抗議してリスクヘッジできるならいくらでもするが、そういう文化と言われればこっちも納得するしかない。郷に入れば郷に従えってやつですか。
思えば今の工場も、思い立った翌日には単身中国に行って、右も左も分からない状態で、「とにかく契約をせねばー」と強引に取引を開始したんよ。意思疎通も取れない状況で、なぁなぁな関係をボクはそのまま子会社に丸投げしてしまったんよね。
まさに因果応報。
日本はすごいのう。四文字熟語一つですべて完結させられる。相手にヤイバを向けるより、自分の非を責めたほうが随分と楽なもんだ。気持ちの切り替えを自分のタイミングでできるからね。
大丈夫。飯がまずけりゃ隣の店に入ればいいように、具合が悪けりゃ隣の工場に話をつければいい。
今の世界はすべてが飽和な世界さ。選択肢は無数にある。消費は分散され、自然淘汰は明日起こる世の中だもの。取引打ち切って、擦り寄ってきたってさ、もうアッカンベーしたるからね(「・ω・)「
ふぅ。
できれば出会いたい。そう、日本のような実直な職人さんがいる工場にね。