この記事は、↓の続きです。

 
 

今回、長きに渡って行ってきたウッドリペアに自ら終止符を打ちました。

 
 

キャラットウッドは希少品で、純正パーツでの代用は不可能です。どうやってこの状態から自分の納得いく道をたどれるか、今はそれに注力しています。

それみたことかと思う人もいると思います。ボクはレストアに関してはずぶの素人であったことは認めざるえません。でもこれからレストアを始める人もいるでしょう。ボクの失敗談が誰かの役に立てば良いです。

さて、今回の根本的な原因はボク自身にあります。要点を述べていきます。

 

知り合いの紹介なら大丈夫だろうと思った 
同じクルマに乗る仲間の紹介なら手放しで大丈夫だ!そう思ったのが間違いです。何故なら仕上がったモノに対する評価は人それぞれだから。あの人がOKでもボクはNG、ボクはOKでもあの人はNG。そういう事です。何があっても最終的に責任を取るのは自分です。自らの感性でしっかりと判断していく必要があるということです。

 
 

意識合わせが足りなかった 
ウッドパネルのリペアと一口に言っても、模様はどうするか、色味はどうするかなど発注する際に意識統一を図ることは重要です。ボクはそれを怠りました。結果、キャラットの茶色かかったウッドが一転、赤味がかってしまいました。当初はそういうもんなんだろぅってあまり深刻に捉えていませんでしたが、実際装着してみると、思ってた以上に赤かった・・という事態に。これは全部良しなにやってくれるんだろうというボクの奢り的な考えでした。こだわりが強いなら、100%納得いくまで事前に意識統一を図ることが重要だと思いました。

 
 

品質チェックを怠った 
次々に仕上がって来るたくさんのウッドパーツ。ボクはそれらを段ボールに入れたまま保管してしまいました。一個一個入念に目を通さなかったということです。もしモノが到着した時点で早期に目を通していれば、色味や、些細なクラックに気づけたかもしれません。しかし今回のウッドパネルは時間経過とともに劣化していくという特性があるので例えチェックしていても見抜けなかったと思いますが、ここまで大事には至らなかったかも。

↑再リペア後の細かなクラック。リペアを依頼したのに壊れたまま返ってくるという・・。これをボクは「見えない部分だからいいや」と見送ってしまった。

 
 

どこまでの品質が担保されるか確認を怠った 
もし成果物に不良が認められた場合はどうするか。どこまでが不良なのか。そういった事の確認をしませんでした。よって、自分の目で見て塗装がダレているように見えても、「そういうもの」となれば、あきらめざる得ない状況になったりします。

 
 

今回の失敗を踏まえ、今後のレストア活動にどう生かしていくかを考えます。

 
 

個人取引は極力行わない 
今回の失敗による損失はそれほど大きくないにしても、もし板金や重整備などで百万単位のお金が動く場合や走行安全性に関わる場合、発注先が個人では、責任を担保したくてもできない可能性が高いです。よって、熱意などの感情の部分は完全に無視で、キッチリ淡々と仕事をしてくれるプロの業者と取引をした方が良いでしょう。

 
 

BtoC取引よりは、BtoB取引を心掛ける 
つまり、ユーザー個人が業者と直接取引を行わないということです。もし納品物に何か不満な点があったとしても、向こうはプロ、こっちは素人。主張は通りずらい傾向にあります。よって、ユーザーサイドに立ってくれるショップ経由で発注を行い、不満な点を汲み取ってもらった方がよいでしょう。この場合は業者対業者取引になるのでクレーム対応もスムーズです。
事実、ケーニッヒの整備はすべてblow経由で行っています。整備士とボクは一切顔を合わせることも、会話することはありません。ボクの要望を適切にblowが翻訳し整備士へ伝えます。問題は今のところ発生していません。今回のウッドリペアはblowの防御網から外れた領域でボクが個人的に行ってしまったのです。

 
 

予算をしっかり持つ。安さに釣られない 
おそらく、劇的に安くて、品質最高!っていうおいしい話はないです。安ければ安いなり。完璧な仕事をする業者は値段も高いですが、品質は担保されます。自分の目指すクオリティに応じて選ぶ必要があります。ボクの場合、キャラットウッドは命。的なところがあったので、費用が高くても一流の業者に任せるべきであったということです。

 
 

なるべく近場の業者を探す 
日本といえど、地域によって価値観に差があります。多くの競争にさらされている地域とそうでないところもあります。なるべく自分の近しいところの業者を探した方が良いでしょう。あまりにも遠方だと何かあった場合に手も足も出せません。顔を合わせられるならなるべく会いましょう。より良い成果を生むのに、コミュニケーションは重要です。

 
 

というわけで、今回は失敗するべくしてした。ボクの発注先選定ミスということです。

しかしその失敗は次に生きてくる。って事ですねぇ。

 

しかしっすね・・現状の白ケー二ッヒなんですが、もはや自分の中でお荷物的存在になりつつあります。

ノーマル化したくてもできない。解決に至っていない不具合がある。いくつか重整備を必要としている。そして内装のウッドの失敗です。

もう・・このケーニッヒ、解体でよくね?

Comments
  1. ケーニッヒポルシュ911マークII(ソーズ) より:

    いつもブログを楽しく読ませていただいています。しかし今回の2回にわたるエントリーは、ぜんせーさんの辛さが読者にもひしひしと伝わってきて、大変重い内容でした。

    いろいろな"不運(ハードラック)"が重なってこのような"事故"になってしまったのだろうと思いますが、心中お察しして余りあります。なるべく早期に、適切な価格で高品質なウッドリペアを実施することができる業者さんが見つかることを期待しております。

    今回の職人さんのブログに記載された作業内容と付き合わせた上での個人的な推測ですが、おそらくウォールナットのスライス突板を貼りつける際に使用した接着剤の成分とクリア塗料が何らかの化学反応を起こして、通常では起こり得ないクリア層の極端な経時収縮が発生したのではないかと思います。こういう問題を避けるためのノウハウを持っているのがプロと素人の最大の違い、ということなのでしょうね。

    第三者に過ぎない通りすがりの者が勝手なことをいうのも申し訳ないですが、この白ケーニッヒはブログで拝見する限りかなり状態が悪いようなので、今回の件を機に、程度の良い560SELを別途入手された後、部品取りとして活用することも併せて検討されたほうがよいのかも知れません。

    白ケーニッヒに装着されている本物のW126 SEL用ケーニッヒエアロ、BBSホイール、Albrex製スパチャ、キャラットウッドは素晴らしい価値がありますので、レストアと部品取りの双方の費用対効果を検討の上で、ぜひともW126 SELケーニッヒの勇姿を近い将来、ブログ上にて再び拝見させていただければ幸いです。

    ※御存知と思いますが、SK'Networkさんは部品取りのW126 AMG SECを発掘して、良質の同型車にブリスターやエアロを移植する大手術を実施された実績があります。ブログにレストア過程が掲載されていますので、白ケーニッヒの今後の対応の参考になるかも知れません。ちなみにSK'NetworkさんのブログにはO氏のR107白ケーニッヒのレストア過程も載っていますね。やはり、BtoBでないと完璧なレストアは難しいということなのでしょう…。

    • ぜんせー より:

      心中お察しありがとうございます。
      技術的なこと完成までのプロセスは末端ユーザーには分からないですねえ。結局ユーザーは成果物でしか見えませんから。
      おっしゃるとおりこのケーニッヒは程度が悪いです。
      よってアドバイス通りのことを考えていますが不確定要素が多くていまのところ宙に浮いてます。
      冷静沈着なコメントありがとうございます!

      selケーニッヒの勇姿かぁ。楽しみにしてくれてる人、いるんだなぁ。

      • ケーニッヒポルシュ911マークII(ソーズ) より:

        ぜんせー様

        丁重な御返信、ありがとうございます。やはり機械制御中心の1980年代のベンツ、特にW126のセダン(それもロング)は今見ても本当にいいですね。

        中古車市場をちょっと調べましたが、確かにぜんせーさんが御指摘のとおりW126の流通は激減していますね。日本に生息していたW126は正規・並行問わずほとんどが左ハンドルだったのも、海外流出が進んだ大きな要因なのだろうと思います。

        同じベンツでも、電子制御が増えたW140以降の故障例を見ると、1990年代以降のベンツにW126のようなネオクラシカルとしての価値が今後付くかという点は疑問ですね。ベンツだけの問題ではありませんが、電子系パーツは将来、部品が出なくなるおそれがありますので。(御存知の通り、W140はクーペのみケーニッヒのエアロがありました)

        特に1990年代後半以降、ベンツのものづくりの姿勢が大きく変わってしまったのも残念ですね。W220のオーナーさんには大変失礼な言い方かもしれませんが、W220定番のエアサス故障は「最善か無か」どころか、ただのポンコツ車ですからね…同時代のレクサス(トヨタ)にそういった致命的な故障がないのを見ると、なおさら複雑な気分になります。

        ベンツの「最善か無か」の精神が息づいているW126の価値は今後も変わらないと思います。その意味でも、W126 SEL用のケーニッヒ純正パーツは貴重なので、ぜひとも維持されることを期待しております。

        考えてみると、ケーニッヒって現在でいうところのLBみたいな位置づけですよね。高級車の車体に遠慮なく過激な改造をして、なおかつデザインのバランスが崩れていないという。

        1980年代にはいろいろなW126のカスタムがありましたが(国内で知られていない無茶苦茶な改造もあったり…)、個人的にはケーニッヒが一番だと思っています。

        ちなみにW126のカスタム車には「カメレオン・タイフーン」なんてのもあったんですね。日本語どころか英語で検索しても全く出てこないので、あまりに奇抜なカスタムが市場で受け入れられなかったのでしょうか…
        https://www.autocar.jp/news/2017/11/11/248762/

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