中小零細経営者ぜんせーとしてのつぶやきです。

 

新卒面談をしていると不可思議な現象に出くわす事があります。

一定の割合で残業はあるのか、休みはしっかり取れるのか。定期昇給はあるのか。みたいなところだけを質問をしてくる子がいる事です。

ここら辺はハテナでしかありません。会社のビジョンや事業を理解しようとする質問の後ならいいんですが、開口一番にその質問かよって。残業なんて成果上げてなきゃがんばればいいだけだし、休暇なんて法律で決まってるんだから聞くまでもないだろうし、成果上げてれば定期昇給なんて当然でしょう。

ま、ここらへんは俗に言うブラック企業の横行で学生が身構えてしまっているところもあるので特に気にしていませんが、もっと不可解なのは、

入社後の試用期間中にがんばらなくなる人が一定数いるとゆうことです。つまり就職ゴールって奴です。出社してれば給料もらえて当たり前組の事ですね。中には遅刻する者も出てきます。ぶっちゃけ遅刻そのものは気にしてないです、重要なのは「雇用という一つの重要な契約を平気で破る」という人間であるとみなされる事です。そしてこういう人はほとんどの確率で、”試用期間終了前に、契約更新はナイ(要はクビ)”と言う事を伝えると猛抗議してきたりします。
会社は百戦錬磨ですから社会出て数カ月の右も左も分からない若者が何を抗議したって無理ですよ。だって「契約は破るけど、カネはよこせ」みたいなジャイアニズム、通るワケない。

毎年たくさんの学生と接してると、こういう人達が一定数の割合で紛れ込むっていうのはデータ上の事実なので特に気にしませんし、会社も淡々と処理を進めます。でも先日、外国社員からの言葉を聞いてハッしました。

「入社後の試用期間って人生で最もがんばらなきゃいけない時じゃないんですか?」

なるほど。いやもぅ当たり前すぎる事を質問されて、何も返せませんでした。「就職ゴール。それが日本の文化だ」なんて恥だから言えないし。

みんな学生の時は成績を上げるため、単位を取るためにプライベートな時間削って勉強すると思うんですよね。努力ってやつですよ。でも社会に出た瞬間、努力や勉強をやめて、いきなりワークライフバランスを説き始めるのはなんでだろう。キャリアも実績もないのに。

そもそも社会に出るために学校に高いお金払ってがんばってきたはずなのに、「社会に出たら努力も勉強もせず、しかしお金はもらえる。」って間違った認識だと思うんだよね。社会こそ戦場なのに。

学校はそう言う事を教えてくれないんですよ。大学って専門知識を学ぶところだから。だから家庭教育は重要です。家庭教育、学校教育、社会教育がある中で最も重要なのは家庭教育です。

社会、つまり会社は家庭・学校教育が適切になされている事前提で社員教育を行いますので、「約束(契約)は守るんだよー」とか、「対価は成果を出してもらえるもんだよー」とか当たり前すぎる話は教えないんです。そこができていない学生はあっという同期生に駆逐され、下の次元に落とされていってしまいます。中には貧困に陥ってしまう子もいます。

子は適切な教育を受けれないと貧困に陥る確率が高まります。そうさせないために、パパママが社会で当たり前の事を教えていってあげないとダメです。でもパパママが適切な教育を受けていなければ子に伝えていくことはできません。これが”貧困は連鎖”するという由縁です。

参考リンク
沖縄の、美女を見る目は憐れみか

リアルマザー。オレに孤児が救えるか

 

実はですね、入社後にこういう思考パターンに陥いる子ってある程度予測できるんです。履歴書データ、面接時の回答、表情、あとは本人のバックグラウンドからね。んでこういった子はジョブホッパー(職を転々とする)になってしまう傾向が高いです。しかも最強の新卒カードを失うので、上位職に就ける可能性はどんどん失われていきます。まぁセンシティブな内容なので詳しくは触れませんがね。
もちろん採用するときはデータになんて頼りませんし、学生の熱意を信じて採用しますよ。もちろん裏切られますけど。

しかしここ最近は急激に変わりました。コロナショック後の学生達ですよ。彼らは社会がいかに危機的状況に陥っているかを就職活動を通して知っています。なんせ求人応募数は昨年の10倍以上に膨れ上がりましたから。それだけ来年卒業の学生達は少ない就職口で内定を掴もうと必死です。だからインターン生も優秀ですよ。本採用目指してすっごいがんばってくれる。

コロナ前は人材不足ピークだったので、圧倒的な売り手市場だったんです。「高いコスト払って獲得した学生をやめさせることなんてできない。」そういう思考に陥ってた会社多いと思います。そういう流れが”会社なんて怠慢で大丈夫”っていう風習を作ってしまったのかもしれません。
コロナを経て、今度は圧倒的な買い手市場です。思考は180度変わりました。「がんばらないとヤバイ」って。コロナが与えたパラダイムシフト。それは雇用者至上主義的思想の終焉でしょうか。世知辛い世の中よのぅー。