w126を超えるもの。メルセデスもう一つの名車、w140
旧車ベンツファンのぜんせーです。
今日はw126の後継、w140について語りたいと思います。
まずw140ってどういうクルマかというと・・
[clear]こういうクルマです。個人的な話ですが、ボクが旧車ベンツにハマったキッカケがこのw140です。↑はボクが乗ってたw140 S500です。
w140については様々なサイトで解説されています。よって、ここでは詳細書きませんが、ようはつまり・・
[fontsize size=”8″]良いクルマです![/fontsize]
個人的には、w126のすべてを上回っていると言えます。メルセデスのフラッグシップw126は1991年を最後に、w140に引き継がれました。ここの変化は非常に大きく、まったく新たなモノが生み出されたという感じです。きっと詳しくない人でも、運転席に座るだけでその変化は感じ取れるでしょう。w126は既にクラシックの域に足を突っ込んでいますが、w140のデザインはまだ現代でもまだ通用します。ネオクラシックというのはw140のようなクルマを指し、w126は既にクラシックな気もします。メルセデス社はこのw140以降から、本格的な電子化・効率化が進んでいきます。
w140は前期・中期・後期に分類される
w140は1991年から1998年までの製造です。短命ですが、その中でも前期・中期・後期に分類されます。どうやって区別するかざっくり解説しましょう。
w126が色濃く残る前期型の特徴
これが前期型です。ポイントはウインカーです。w126と同様、オレンジ色です。グリルの網目が細かく、全体的にノッペリした印象です。
内装は・・
こんな感じです。w126とあまり大差ありません。現行車には当たり前のようにあるマルチインフォメーションシステムがなくて、ボタンが多いのが特徴です。
前期型、特にV12の600SELは故障が頻発するという噂です。エンジンルームはV12エンジンでパツパツですから、熱害が多く報告されたようです。まだメカ的に洗練されていなかったんですねぇ。
巷に流通している前期型は、ウインカーとリアテールを後期仕様に変更している車両が多いです。一見すると後期型のように見えても実は前期型というケースがままあります。注意しましょう。年式が1993までであれば前期型です。
注意すべきは1994年モノです。1994年は前期と中期が混在する年です。大抵1994年式だと中期という認識なのですが、1993年8月に一部マイナーチェンジが入り、名称変更(600SELからS600みたいに。SELの称号はここで終わる)がなされ、ルーフがガラスに変更。しかしウインカーはオレンジのまま、グリルやメカ部分も変更なしです。よって、名称がS600だからといって前期以降と決めつけないようにしましょう。
前期の最終モデルと呼べるのは1993年8月~1994年7月の間で生産された車両ということになります。
前期のフィーリング
前期型はミッションが4速機械式です。よってw126やw124系と同様、オーバーホールで甦ります(もちろん後の電子式ミッションでもOH可能)
電子式と機械式を比べると、機械式ミッションの方がダイレクト感があって力強いと感じる人も多いようです。
ボクは後期を所有した後、前期モデルに試乗させてもらったことがあります。これは感覚値なのですが、前期の方が重厚感があり、ドアも後期に比べて重たい気がしました。ステアリングを握った時は前期の方がしっくりくる気がしました。こういった「前期の方が品質が上」的な議論はw124にもあります。
詳しくは分かりませんが、前期モデルの方がコストがかけられているのは開発途上だからでしょう。実際販売価格も前期の方が上です。しかし熟成し、バグ出しされ、より合理化を図られた後期型の方がメカとしては良いはずです。
w126やw124のガッチリ感、メカメカしい感じが好きな人、オレンジウインカーこそ絶対だという人はあえて前期を狙いましょう。
徐々に洗練されゆく中期
1994年8月以降に生産されたモデルが中期となります。ここでようやくウインカーがオレンジからクリアに変わり、リアテールランプにも変更が入り、見た目で分かるほどに変わります。
ミッションは未だ4速機械式のままです。
中期は1996年7月まで生産されました。ボクは中期型に縁がないので詳しく語れません。
w140完成形 後期
1996年8月以降に生産されたモデルが後期となります。ミッションが電子化され4速から5速に変わります。V12 S600の機関にも手が入り、安定しました。サイドエアバッグやマルチインフォメーションディスプレイが装備されました。ご丁寧にナビまで搭載していますが、これはまったく使えない代物でした。
悪名高きマルチシステム。これが結構な率で故障します。エアコン操作も兼ねているため、故障すると結構悲惨です。交換費用も高額です。ボクが購入した後期型S500は納車当日に壊れました。電子部品なので予兆もなく突然壊れます。
w140全体的なフィーリング
w126の場合、ドア開け閉めの感触の良さが挙げられます。よく金庫に例えられますね。ガシャンって。w140のドアの感触はw126と違います。もっと重々しい感じです。実際ドアは分厚く、窓も2重ガラスです。重くて当然。そのためか、S600グレードはイージークローザーが装着されています。半ドア状態になるとエア圧でフワっと閉めてくれます。ちなみに金庫のようなドアフィーリングはGクラスが最も高いとボクは思います。
w126などと比べてw140は室内の静寂性が高いです。外界から室内をしっかり遮断してくれる印象です。2重窓だから当然かもしれません。しかしこの窓が重くてレギュレーターがすぐ壊れるという茶目っ気も持っています。ボクも経験しました。でもレギュレーター自体は安く手に入れる事が可能です。アルファードエグゼクティブラウンジも2重窓ですが、w140の分厚さには敵いません。w140の持つオーバークオリティという評価に嘘はないと思います。
w140は車格が大きいので室内が広いです。非常にゆったり運転できます。かといって取り回しがキツイわけでもなく、小道でもスイスイいけます。ボクはもともとフルサイズバンのラムバンを更にオーバーフェンダー化していたのでw140なんて楽勝です。
w140はカスタムの相性も良いです。車体が大きいのでエアロを組むと更にボリューミーになります。非常に目立ちます。
代表的なのはロリンザーカスタムではないでしょうか。ロリンザーエアロはやや小振りですが、非常に品よくまとまっている印象です。ボディカラーがブリリアントシルバーだと映えないとお思いでしょうか?いいえ、w140は車体が大きく、ずんぐりむっくりしているのでどんな色でも存在感バッチリです。メルセデスのブリリアントシルバーは文字通り鮮やかなシルバーです。クルマは古くても、それを感じさせません。
ゲテモノカラーであってもw140ならアリです。メルセデスは旧車になるとゲテモノカラーが存在感を増し、ポピュラーカラーよりも高値で取引されます。
法令に乗っ取っている限り、どんなカスタムもOKです。カーマニアの中にはカスタム派の人もいれば純正原理主義派の人もいます。(ちなみにボクは後者です)旧車ベンツを楽しんでる以上、すべて正解です。特に日本流カスタムは海外でも人気です。本当はw140が安値安定で、若手に引き継がれていくことが良いですが、w140はタマ数が減少傾向にあり、既に気軽に買える値段ではなくなってしまいました。とはいえw126系と比べるとまだ手が出しやすい。
和製のジャンクションエアロを巻いてみたいです。もちろんオレンジウインカーの前期モデルで決まり。w140はある意味VIPカーブームの頂点にあったと言っても過言ではありません。
ぜんせーのオススメランキング
ざっくり前期・中期・後期の違いを述べました。細かい変更はたくさんありますが、大きいのは後期の電子制御化されたミッションと点火系の変更です。これによってトラブルが減少しました。
w140に乗ってみたいと思ったら、自分の嗜好に合わせて選びましょう。もしw140を日常使いしたいと思うなら後期型がオススメです。先に述べたように後期はそれ以前のモデルと比べて安定性が上がっています。
しかしもし、w126のようにメカメカしく、アンティークなオレンジウインカーが好きなら、前期型しか選択肢はありません。
では総合的に見て、ボクの勝手な都合でどのw140を選んだらいいかランキングしてみましょう。
オススメ第1位
98最終 S600 並行物 バーズアイウッド
「コイツ分かってるな・・」と思った人、いると思います。そうです、並行車にはあのマルチシステムがついていません。そして内装ウッドパーツが黒(バーズアイウッド)にすると室内が洗練され、より高級感が増します。
一般的に、並行車は国内ディーラー車より低く見積もられがちですが、w140に至っては並行車の方が良い事が多いです。本当にあのマルチシステムはいりません!
というわけでオススメ1位は並行物バーズアイ仕様車でした。多分、この仕様にこだわって探してる人、実はいると思います。98最終と言っているのは、どんなクルマも最終型が高く評価されるからです。
え?並行モノだとディーラー整備できないじゃないか・・って?
旧車ベンツをディーラーですべて面倒見てもらうのはよっぽどの資産家でしょう。ディーラーは旧車ベンツのように独特なノウハウが必要な場合は、街の整備工場に委託しているケースがあります。よって、直接旧車ベンツを見れる整備屋さんに依頼するのがベストな選択です。街の整備屋さんは正規物も並行物も同じように受け入れてくれ、整備費用もディーラーより安価です。
オススメ第2位
98最終 S600(オプシディアンブラックなら最高)
次にV12気筒S600のオプシディアンブラックをオススメします。このオプシディアンブラックというカラーだけで価値が一段上がります。例えば「最終S600 オプブラ 並行 低走行 バーズアイ」なんてあったらすごいことになりそうです。
w140にはV12の他に、V8のS500、直6のS320が主要グレードとしてあります。
S500に積まれているエンジンはM119型なのでw124 500系でも味わえます。それに車体の軽いw124の方がM119を味わうには適しているでしょう。
事実、ボクが乗っていたのはS500グレードで、このM119エンジンでした。重い車体なので、動作はもっさりしていたのを覚えています。やはりw140のS600でしか乗れないM120型V12気筒エンジンをオススメします。w140の巨体を軽々扱えます。
それに、V12気筒6リッター大排気エンジンは海外からも人気です。つまり乗っていても車両価値が落ちづらいです。
え、ディーラー車だとマルチシステムが邪魔じゃないかって?
大丈夫です。少し予算を出してにっくきマルチシステムを分離させることが可能です。
こういった業者に委託することで、古きマルチシステムを取り払い、現代のナビシステムをインストールすることが可能です。
オススメ第3位
前期最終 S600(600SEL)ただしAMGに限る
1位、2位と後期型をオススメしましたが、3位で一気に前期モデルです。しかしAMGに限ります。
世界相場が右肩上がりの後期V12に比べ、前期型は値上がりが渋いです。つまり、前期型全般人気があまりないということです。
しかしAMGモデルに限ってはあてはまりません。前期のオレンジウインカーにAMGエアロ。w126の延長にあるレトロな外観は前期でしか表現できません。よってファンも多いです。後期に比べると下のプライスで買えるので、前期V12のAMGモデルはオススメです。確かつい最近までカーセンサーで売ってたんですがね。
ボクは以前、目の前から迫ってくるブルーブラックのAMG前期w140の迫力に圧倒された記憶があります。その貫禄はw126を凌いでいました。w140は前期と後期で与えられる印象がまったく違うのです。
w140の良いところ
最終年式が1998年なので引退からまだ20数年です。パーツも未だ供給されています。そして車体価格がS600で200万円台~と他の80・90年代クラシックベンツから比べると安価です。パーツが安いのでレストアもしやすく、コンピューター系もなんとかなります。
w140は名車的要素を持ちつつ、評価が上がりきる前の段階にいます。良いタマがあれば手にしておくべき一台と言えるでしょう。グレードはS600に絞る事をオススメします。
というわけでw140の紹介でした。ボクのw140愛は強いので、まだ続きます。次回は特別モデルを取り上げます!
初めまして。以前からぜんせーさんのブログを拝見して楽しませてもらっています。今回はw140についてという事で初めてコメントさせてもらいます。近所にw140 brabus 7.3s という車が長い間放置されており、放置されているのも可哀想なので、可能であればオーナー様に連絡を取り、購入したいと考えているのですが、このbrabus 7.3sという車は調べてみてもあまり情報がありません。もし、可能でしたら少しご教授頂けませんか。
う、うそだろ・・w140ブラバス7.3が放置されている・・だと?
ブラバスw140はボディキット、ホイールを装着した仕様車も多いです。その場合はあくまでカスタムカーの位置づけに留まります。まずはそれがブラバスファクトリーで製造されたものかどうかを知る必要があるでしょう。エンジンルームを開けて、シリンダーが12個で、かつブラバスの刻印があればファクトリーで製造された可能性が高いです。
V12 6リッターエンジンを7.3リッターまでボアアップしたw140はBrabusの中でも最も加速の速い車のひとつと言われています。0-100km約4.5秒、S7.3Sは最終速度(300キロ越え)まで加速し続けます。
ボディカラーはなんでしょうか気になります。もしそれがコンプリートカーならば希少性のあるものです。もしブラバス7.3sが本当にあなたの目の前にあるのなら、私から言いたい事は一つです。
オレに売って。
洗車動画を見て自分もw140に乗ってみたい!と思って暇なときに探すようになりました。とりあえずS600!!よくわかりました。それではロングはどうなのでしょうか?
あまり聞くべきではないとは思うんですが、月割のおよその維持費を参考程度に伺いたいです…
私も、w140が好きで、乗ってますが、s320です。S320でも、私は、満足です。出た当初から、好きだつたので、いつかはと思い2年程前に納車で、現在に至ってます。
S320、素晴らしいと思います。500や600とは違いシンプルで軽量で、かつ140が持つ堅牢さはそのままに。私も今持つなら320選びます!