タイトルが思い浮かばないから無題とする。

すがすがしい気分だ。

数年前から展開している自社プロダクトが大手家電量販店と大手商社で取り扱いが決まった。しかも直契約だ。今まで地べた這いつくばってきた甲斐があったってもんよ。プロダクト開始当初はそんなもん売れないっていろんな人にサジ投げられたけど、今、その一人一人に、「エッヘン。ここまで来たぞ」と言って周りたい。

展示会にも出展したし、チェーンのカフェ店舗でも既に取り扱いが始まっている。おもしろいのが大手ライバルが圧倒的資金力で参加してきたけど、クライアントが選んだのは零細なボクらが作ったプロダクトということだ。展示会に多額の資金を投入し、満を持してクライアントを迎え撃つ大手ブースは閑古鳥が鳴いており、なんの装飾もないシンプルなウチのブースには通路をせき止めるほど人が来た。ドヤりたくて書いているのではない。必ずしも「中小は大手に敵わない」というジンクスは当てはまらないということだ。

この実体験は今後の新たなブランド展開やWEBサービス展開において大きな意味を持つ。今まではマイノリティな世界を探ることに躍起になっていたし、社内でアイデアが出ればその次に出る言葉は「で、大手の競合は?」だった。小さくまとまるなっていつも周囲に言い聞かせていた自分こそ、小さくまとまっていたなんて。あぁ穴があったら入りたい。 
 

企業は大きくなればなるほど既得権益を守り、リスクを徹底的に排除する。そうしてより強固な企業体質になっていくのだけど、それはイノベーションを削ぐという副作用が伴うとも言えよう。増える社員に、その家族。守らねばならないものは大きくなる一方だが、リスクを取らねば彼らに充分に分配できる利益は作れない。中小はこの大きな矛盾と向き合う必要があり、常にトップは頭を抱えているはずだ。でもボクのような小さなベンチャー企業が存在する意義は大手企業とユーザーにできてしまった距離を埋めることだ。リスクを恐れず、自社の繁栄は後回しにし、全力でユーザーと向き合う。そのシンプルだけどもっとも重要なことを忘れてはならない。

もう少し踏み込んで書かせてもらえるとすれば、ボク自信がこの良い結果に驚いているということだ。これは実に続々と参入する大手に対して戦いもせず、心の中では白旗を振っていたということを意味する。この功績を成したのはボクではなく、チームだった。彼らは大手や資金力などハナから気にしていない。自社の製品を信じ、そしてユーザーに徹底的に寄り添った。ただそれだけのことなのだ。あっちがこう、そっちがこう。余計なノイズを拾い、自社製品を、チームを第一に見ていなかったボクの罪は大きい。もう一度白旗を振れるなら、チームの君たちに捧げよう。 
 
 

ボクの尊敬する経営者にテスラのイーロン・マスクがいる。ペイパルの創始者であり、天才起業家軍団を輩出するイーロン・マスクが次に戦いを挑んだのは自動車業界だった。いくら多額の資金を持つとは言え、狭く、レガシーな自動車業界に新たな参入を決める思考は並大抵のものではない。でも見方を変えれば、レガシーな業界こそ、今までにない、「あっ」というような製品をユーザーは待ち望んでいるということだ。そしてそれは往々にして新興企業からやってくる。テスラは、イーロンはそれを証明した。 
 
もうマイノリティを意識するのは止めよう。彼のように、既得権益をぶっ飛ばすような、リスクを恐れないような、そんな会社にしていきたい。 
 

さぁて、日本に帰ろう。あと数時間でフライトだ。アド・ペルソナムプログラムが適用された漆黒のアヴェンタドールがボクを待っている。やれやれまたあのV12生活が始まるのか。嬉しい?いや何かこう、重い爆弾が体から離れない感じだ。でもそれでいい。イーロン・マスクが原チャリに乗っててもイーロン・マスクだけど、ボクが原チャリ乗ってたらただの人。そこにアヴェンタドールは強力なアイコンとして機能する。それがボクを強くしてくれるのだ。ヤツは起業家にとって大きな武器さ。今はその力を借りるとする。いつかスーパーカーなんてなくたって、ボクがボクとして世間に認識されるその日まで。

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