事態は深刻

会社に学生が面接に来た。来年の新卒採用枠だ。報告を受けて今の事態が相当深刻であることが分かった。

彼(面接にきた学生)は既に数十社の企業に応募したが、そのうち面接にまで行けたのは1社だった。それ以外の会社は応募した瞬間、不採用メールが届くという。企業はそもそも応募者の内容を精査すらせず、一律採用を打ち切っているようだ。

面接まで進めた1社はリモート面談だった。リモート面談では会社の雰囲気を感じれないので辞退したという。自分がその会社で働くイメージを持てないんだろう。オフライン面接はウチが初めてだと言った。

大手でも通用する経歴を持つ彼だが、既に学生は企業を選べる状況にないと彼は言う。

彼らは多くのお金を投入し、長い時間かけて学んできた。これから社会で活躍するために。しかし社会は扉を閉ざしてしまった。来年卒業予定だが、大学が閉鎖されてしまったためまだ取れていない単位もあるという。

もちろん大学もリモート授業に振っているようだが、なによりもリモート環境に教授側が対応できていないと彼は言った。課題だけが大量に出され、低品質なリモート授業。迫りくるリミット。今の学生は踏んだり蹴ったりだ。

例え就職に失敗しても、今までの社会には受け皿がたくさんあった。フリーターでも生きていくことができた。でもコロナはそういった受け皿さえ縮小させている。

未来の担い手である若手が年々減少していく中で、その若手が就職難を迎えようとしている。とんでもない時代の到来だ。

でもだからこそ中小ベンチャー企業の経営者は今こそ採用を積極化してみると良いかもしれない。今までは売り手市場だったから、良い人材を獲得できず諦めていた会社もあるはずだ。就職に困難であればあるほど入社した時の意欲は高くなるし、会社への帰属意識も高くなる。人件費ばかりがかかりパフォーマンスが出ない人材を入れ替えるチャンスかもしれない。つまり学生の就職難は、何も学生だけの問題じゃなく、社会全体の問題ってことだ。世知辛い世の中よのぅ。

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