数か月前、度重なるケーニッヒの故障や、走行中にエンジンが停止して、立ち往生するトラブルに見舞われ、所有することに心が折れそうになりました。

それから整備を重ね、安定感を増したケーニッヒなんですが、

 

足回りからの異音 
ええ。足回りからゴトゴト音がするんです。たまにバキバキって言ったりも。専門家からは、「ケーニッヒはタイヤが太いから致し方ない」といった意見を頂戴します。実際にこのケーニッヒの足回りを見てもらった際も「キレイな状態です」っていう回答だったりもします。

足回りがキレイなのに、異音は激しい。その原因がケーニッヒ用の太いタイヤだとしたら、もうケーニッヒに乗るって無理じゃんか・・って。気持ちに行き場のない日々を過ごしています。

そしてつい先日、内装をどうリペアしようか車内をいろいろチェックしていたのですが・・

 

リペア不可能な破損 
リアシートのセンターコンソールを開けてみると、ぼろぼろのキャラットのビデオデッキスペースを発見してしまいました。こんなとこにビデオデッキが組み込まれていたなんて・・

 

これはセンターコンソールに組み込まれていたビデオデッキ。ウッドパーツは歪みまくり、コンパネのボタンはほとんどが喪失。デッキの配線はつながれておらず、ただこの劣化した箱が無造作に置かれていただけでした。

 

これを見て、ボクの中で何かが切れたというか、吹っ切れたというか・・あぁこのベンツって大事にされてなかったんだなって。オーナーの愛情が注がれていないネオクラシックベンツをリペアしていくのは本当に骨が折れる作業です。あれもダメ、これもダメ、ヘンテコリンなパーツがついていたり、適当な配線処理がしてあったりで、なんだかボク、心が寂しくなったよ。

 

加えて治らないエンジンの息継ぎ 
それともう一つ。エンジンの調整を行ってもらってからも、アイドリング中で息継ぎが発生します。特にエンジンを回した後の息継ぎによる車体の揺れは大きく、ぶるっぶるっと。またエンジンが止まってしまうのではないかという不安に襲われ、楽しいはずのドライブは恐怖の時間に変わってしまいました。

 

120km付近から発生するハンドルブレ 
これはもうね、アライメントとか言う次元じゃない。100kmくらいまでは落ち着いていた足回りも120km近くになると、車体ごとバラバラになるんじゃねえかってほどのブレ。もうアクセル踏めません。

 

悩むオレ 
いろいろ考えました。もちろん車両を選んだのは自分ですから、誰のせいにもあらず、すべて自己責任。ならベース車両自体を変えるも自由。よし、じゃぁこの得体の知れないケーニッヒベンツのベース車両を捨て去り、新たに程度のよい560SELを取得して、ケーニッヒパーツを移植しようかって考えた。

しかしですね、足回りの異音の原因が掴めないまま、移植を実行してよいのか。とも考えました。だってケーニッヒ用タイヤを履いただけで異音が発生するなら、ベース車両を変えても異音は発生するはず。それに太いタイヤを履いただけで異音が発生する宿命なら、そもそもケーニッヒというコンセプト自体が破綻してるじゃないかと。

 

仲間に頼る 
ちゅうわけで、困った時は長年のケーニッヒ乗りの先輩であるK村氏にアドバイスを求めましょう。彼はもう10年以上同じケーニッヒ車両に乗っているわけですから、おおよそケーニッヒのすべてを知っています。彼の回答によると・・・

「足回りからの異音はない。最近行ったブッシュ交換で極めて足回りは快調。200kmでもハンドルブレは起こさず、高い直進安定性を誇る」と。

なるほど。ということは、ケーニッヒの太いタイヤだからといって、足回りから異音が起こることはナイと断言できます。これはつまりボクのケーニッヒに問題があるということです。

 

更に仲間に頼る 
最も近しいメカに強い人間。千葉にあるblowのK平氏を訪ねます。

さっそく足回りチェックのため、タイヤを外します。

 

しかし低い車高と大柄なエアロのせいでジャッキが入りません・・

 

イソップが車高を持ち上げる工夫をします。

 

普段はボクにお弁当を買ってくれる役のイソップですが、意外にもジャッキを颯爽と使いこなします。

 

外れました。

 

K平氏がチェックします。

 

結局問題の箇所はスグに発見されました。

ボールジョイントブーツが破れ、中のグリスが飛び散っていたのです。

検証としてグリスを一時的に補充、タイヤを戻して試乗します。すると・・異音が消えました!完全ではないですが、当初に比べると大きな差です。結局足回りの異音はありきたりなジョイントブーツの破れである可能性が高まりました。

 

次にエンジンの息継ぎですが、パーツクリーナーをエンジン周辺に吹きます。するとエンジンの振動に変化が見られました。この状態から察するに、吸気時のエア漏れがどこかで発生している可能性があると。原因がそうならばゴムパッキンなどの交換で治る可能性が高いようです。

 

治る見込みアリ 
blowは販売店であり、修理工場ではないので、できることはここまで。(誤解ないように言っとくと、このケーニッヒはblowから購入したものではありません)しかしベース車両ごと捨て去ろうとしてたボクにとっては治る見込みが出てきたのは大きな変化です。ケーニッヒはこのまま預け、根本からの修理をお願いしてきました。このガタガタの足回りでは持ち帰っても乗るに乗れないですからね。

 

取り付けにガタのきていたボンネットマスコットも外してもらいました。w126用ではなく、w124用が付けてありました。一個一個純正に戻していこうと思います。

 

こうして心折れそうなボクでしたが、なんとか持ち直しました。ネオクラワールドを歩むには仲間が必要ってことです。今はもう少しこのベース車両と付き合ってみようかと思っています。

しかしあれっすね、何人もの職人魂が込められたケーニッヒとか言っておきながら、やな事あれば一瞬で無に帰そうとするオレもひどい野郎っすよね。しかしオレは昔からそういう男だ。

さぁて、となると次はウッド総リペアですね。次回レポートします。