w126 ケーニッヒベンツを制作した板金マイスターと出会う

壊れゆくケーニッヒベンツ。不具合が出尽くし、安定するのはいつだろう。今じゃなくてもそれはいつかやってくる。最後の仕上げは板金。これ世の常識。

ケーニッヒエアロを知り尽くしている職人はそうそういない。これを治す時、どうすればよいのか。近道は、このケーニッヒを仕上げた職人に依頼することだ。

と、いうわけでカーボディショップONEの店主、山ちゃんに出会った。

 
 

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わざわざ会社まで足を運んでもらったよ。彼とは初対面だけど、以前から連絡を取り合い、綿密な打ち合わせを重ねていたんだ。

 
 

彼は初代オーナーのケーニッヒを作り上げた張本人。制作の様子は↓

 
 

つまり、朽ちたケーニッヒ車両と、キャラット560SELが山ちゃんのところへ持ち込まれ、エアロを取り外し、キャラット560SELへ移植したという事。独ケーニッヒ社により、エアロとアルミホイールの認証は取ったけど、ベースとなっているキャラット560SELが仕様なのかコンプリートなのかは未だ不明。(キャラット社へ問い合わせするもぶっちされる)

 
 

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現状を確認する山ちゃん。

 
 

・・・サビ、割れ。程度悪いっしょ?[clear] 
 

[color color=”blue”]いや・・よくまぁここまでキレイに残ってるって思うよ[/color][clear] 
 

・・・え、ええ?キレイなのこれ?[clear] 
 

[color color=”blue”]制作したのは相当前だからね。それにしては劣化が少ないっていう印象さ。[/color][clear] 
 

・・・でもでも・・塗装とか黄ばんじゃってるでしょ?[clear] 
 

[color color=”blue”]いや、これはこういう色なんだ。黄色パール&ブルーパールが入ってる。当時は今みたいなオフホワイトより、こういう色が高級感あったんだよ。[/color][clear] 
 

・・・な・・なんてこった。これ、こういう色なのか・・[clear] 
 

[color color=”blue”]クルマのトレンドは時代によって変わるからね。現代ならオフホワイトのほうがいいかもね。[/color][clear] 
 

・・・ってなると、ほぼ劣化ないまま今に至るのか。山ちゃんの腕、すごいね。[clear] 
 

[color color=”blue”]これは3コートパール塗装だよ。クリアはかなり厚めに塗ってあるんだ。[/color][clear] 
 

・・・これをソリッドブラックに塗り替えたいんだ。[clear] 
 

[color color=”blue”]ふむふむ。もちろんOKさ。でも黒は塗装面の波打ちが目立ってしまう。[/color][clear] 
 

・・・波?[clear] 
 

[color color=”blue”]うん。FRPなどで形作る際、どうしても表面が波打ってしまう現象さ。ほら[/color][clear] 
 

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・・・なるほど。写真だとよく分からないけど、目で見ると確かに波うってるね。[clear] 
 

[color color=”blue”]うん。黒だと更にこれが強調されてしまうんだ。[/color][clear] 
 

 
 

ちゅうわけで、ソリ黒戻しよりも、現代ベンツのようなオフホワイトでもいいかなと思い始めてきた。しかしこれから10年、いやそれ以上塗装を持たせるために、上塗りは避けたい。どうせなら全塗装剥離をして欲しいところだ。

 
 
 
 

[color color=”blue”]塗装剥離はするよ。ブラスト?いやダメだね。エアロの隙間から砂(メディア)が入ってしまって取り除けなくなる。え?剥離剤?それもダメだ。パテやFRPは薬剤に弱いからね。やるなら手作業で塗装剥離するよ。[/color][clear] 
 

 
 

なるほど。手で全塗装を剥離するのか・・考えただけでも手間すごそう。しかしエアロ付け根から発生したボディサビはどうするんだろう。エアロを一回はずすのかな。だとしたら違うベース車両に付け替えることができるってことか。

 
 

[color color=”blue”]いや、ケーニッヒエアロはリベット止めだよ。だから取り付けたら外すことは現実的でない。[/color][clear] 
 

・・・え?じゃぁどうやってこのエアロ移植したのさ[clear] 
 

[color color=”blue”]これはね、エアロがついてるフェンダーごと移植するんだ。クォーターパネル(リアタイヤの上からトランクにかけて)は切断して移植しているんだよ。だからエアロパーツというよりは、一つのパネルとして捉えてもらったほうがよい。つまり移植ならバンパー、ドア、クォーターパネル、丸ごと移植ってことさ[/color][clear] 
 

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・・・す・・すげえ・・(しかしケーニッヒ車両ほとんどが修復歴アリというのはこういうことか)[clear] 
 

 
 

[color color=”blue”]んで、ぜんせー君はどうしたいんだい?[/color][clear] 
 

 
 

・・・うん。外装傷、割れは修復。色も塗りなおし。外見は新車レベルまで。あと内装のウッドリペア、レカロCクラシックの取り付けかな。[clear] 
 

[color color=”blue”]OK。外装はもちろん。内装のリペアもボクの方でできるよ。レカロは外注だね。しかし問題は板金に際してゴム系パーツ、モール系パーツが出るかが問題だ。確認しておくよ。[/color][clear] 
 

 
 

・・・あと・・エアロが割れないようにしてほしい・・[clear] 
 

[color color=”blue”]ふうむ・・ケーニッヒエアロはね、力の逃げ場所がないんだ。だから割れやすい。特にサイドね。[/color][clear] 
 

・・・そこをなんとか・・[clear] 
 

[color color=”blue”]エアロに力の逃げ場所を作ってあげる必要があるね。ここら辺は考えさせてくれ。[/color][clear] 
 

 
 

・・・ベース車両を変えてもいいの?また移植してくれる・・?[clear] 
 

 
 

[color color=”blue”]もちろん希望するならそれに答えるよ。[/color][clear] 
 

 
 

しかし疑問が湧いた。エアロが取り外せないなら、エアロ付け根から発生したボディサビが中まで浸透していたらどうやってサビを取るんだろう。

 
 

[color color=”blue”]エアロに穴をあけて手でサビを取るよ。そして錆止め剤をふく。[/color][clear] 
 

 
 

・・・なるほど。空いてしまった穴はどうするの?[clear] 
 

[color color=”blue”]FRPで埋めるよ。このケーニッヒも至るとこにFRPで形づくってあるんだ。ボクはもともとバニング系制作をやっていたからね、FRPは得意中の得意だよ。[/color][clear] 
 

 
 

この後彼は数時間に及び技術的な解説を行ってくれた。とても真剣で、情熱で仕事をする職人さんだ。それに彼はシュテルン指定の板金屋での実績も持つ。すごい。

 
 

おっと、板金着手はずっと先。まだまだ機関系が完璧じゃないからね。いつになるかなぁ早くキレイにしたいなぁ。しかしマイスターとマンツーで話せたこの数時間、めちゃめちゃ有意義な時間でした。能力者と話す事は何よりも楽しい事の一つだね。サンクス山ちゃん。

 
 

もしケーニッヒエアロで困ってる人がいれば、山ちゃんは力になってくれるかもしれないよ。

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